＜高校野球招待試合：花咲徳栄8－1銚子商＞◇9日◇花咲徳栄グラウンド

嫌な流れを断ち切った。銚子商（千葉）の角田大乗投手（3年）が7回から登板し、花咲徳栄（埼玉）打線を相手に3回無安打無失点に抑えた。

7回、先頭打者から三振を奪ったが、振り逃げで出塁を許した。自分の弱点は「メンタル面。ピンチのときに強気になれないこと」と自覚する。しかし、この日は違った。「絶対に抑える」と気持ちを切り替え、得意のストレートを武器に後続を断った。その勢いがチームに伝わったのか、その裏の攻撃では打線がつながり1点を返した。その後も守備では8、9回を3人ずつで片付けると、攻撃でも自ら安打を放ち、チームをもり立てた。

文化祭当日の招待試合ということもあり、グラウンドには多くの観客が集まった。先発の向後勇太投手（3年）は試合開始から制球が定まらず、4者連続の四球でいきなり1点を失った。沢田洋一監督は「本来はコントロールがいいピッチャー。今までにない立ち上がりで、何がおかしいか分からない様子だった」と困惑顔。初回無死で登板した2番手・宮内陸投手（2年）は安打こそ許さなかったものの2点を失い、その後も6回まで毎回1点ずつを失う苦しい展開だった。

その後を受けての角田の快投。今夏の目標は“甲子園”。県大会の開幕まで残り1カ月に迫るが「投げると分かっていても打たれない真っすぐを手に入れたい」と、現状には満足しない。