“都立の雄”小山台、昨夏準V雪辱目指す/東東京

東東京大会抽選会に臨んだ小山台・宇佐美(撮影・金子真仁)

<高校野球東東京大会:組み合わせ抽選会>◇15日

第101回全国高校野球東西東京大会(7月6日開会式)の組み合わせ抽選会が15日、都内で行われた。東東京は、今春都ベスト4の小山台が第1シード。“都立の雄”は昨夏準優勝の悔しさをバネに初優勝を狙う。

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小山台が、二松学舎大付の3連覇阻止に燃えている。昨夏決勝では同校に3-6で敗れた。くじを引いた部員代表の宇佐美和貴(3年)は「去年は実力が足りなかった。でもチームのまとまりは去年からずっと強いまま。先輩たちを超えられるように、どこが相手でもチャレンジャーの気持ちで自分たちの野球をやりたい」と意気込んだ。

甲子園まであと1勝、及ばなかった。力不足を野球日誌で補っている。選手たちは毎日、思ったことを個人日誌に自由に書き、福嶋正信監督(63)に提出。監督の目に留まったものは、部員全員に配られる。チーム共有の日誌も作成。直接は言いにくいことを、お互いぶつける。今日は何を書こうか想像力を働かせることで、試合中の考える力も身についた。主将・池本仁志内野手(3年)は「技術面もメンタル面も気づいたことを書いていく。日誌に本音をぶつけていたら、何でも言い合えるチームに成長した」と効果を話す。

新チーム発足後は指導陣から「最弱メンバー」と言われたが、チーム力は徐々に向上。平日の練習時間は約1時間半と短く、午後5時完全下校。限られた時間でも目標を達成できるように、野球日誌で全員のベクトルをそろえている。

福嶋監督は「甲子園をとるか? スマホを取るか? 頭を使って、野球のことをたくさん考えて欲しい」と呼びかける。野球日誌で培った思考力、精神力こそ小山台の強さ。昨夏の悔しさを晴らし、都立勢としては16年ぶり、同校としては初の甲子園出場を狙う。【加藤理沙】

◆18年夏の東東京決勝 二松学舎大付が6-3の逆転勝ちで小山台を下し、2年連続3度目の優勝を果たした。小山台が2回に1点先取。4回表までに2点のリードを奪ったが、二松学舎大付はその裏1点を挙げ、1点差。さらに5回裏、振り逃げで同点とし、なお2死満塁で山田将義捕手(1年)が決勝の適時内野安打を放った。