GLAY母校函館稜北が全国1勝一番乗り/南北海道

函館稜北対函館高専 夏の高校野球全国1勝一番乗りを果たし、校歌を歌う函館稜北の選手たち(撮影・永野高輔)

<高校野球南北海道大会:函館稜北4-2函館高専>◇22日◇函館地区Aブロック大会1回戦◇函館市千代台公園

令和元年の夏が始まった。第101回全国高校野球選手権大会(8月6日から16日間、甲子園)の地方大会が22日、南北海道函館地区で全国トップを切って開幕。選手10人の函館稜北が函館高専を4-2で下し「令和1勝」一番乗りを果たした。21年4月に函館西と統合されるため1年生がおらず、秋には2年生4人に減少。最後の単独出場の可能性がある今夏、快勝でスタートを切った。開幕予定の南北海道大会室蘭地区、沖縄大会は雨天順延となった。

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令和最初の夏に挑む最後の10人での戦いを、函館稜北が力を合わせて乗り切った。庄子満晴左翼手(2年)は、父親の仕事の関係で24日に福井に引っ越すため2回戦の函館大柏稜戦(28日)は出られない。庄子は4打数無安打も、4回1死満塁での遊ゴロが相手失策を誘い出塁。3点目の生還を果たし「少しでも得点に絡めた。みんなと最高の思い出ができた」と目を潤ませた。前日に理容室に行き、ただ1人青々とした丸刈りにして臨み、気持ちで得点を引き寄せた。

GLAYのTAKUROらの母校である函館稜北は、2年後の21年4月、北島三郎の母校函館西に統合される。1年生はおらず、庄子が転校し3年生が引退する秋以降は2年生4人のみ。在校生の新入部員が入らなければ、単独では今夏が最後の大会となる。今春就任したOBの沢田篤生監督(23)は「この校名で1勝できて良かった。雨の中9回まで試合をやらせてくれた審判員の方や、整備スタッフの方に感謝したい」と話した。

南北海道室蘭地区と沖縄大会も同時刻で実施予定で、沢田監督は「接戦になるだろうから1番は無理」とあきらめていた。いずれも降雨順延となり唯一実施された試合で「令和の夏」全国1番星。「注目を受け部員増につながってくれたら」と笑った。【永野高輔】