楽天沖原スカウト「すごい投手」前橋商・井上を評価

拓大紅陵との練習試合に先発し、5回を1安打無失点の好投をみせた前橋商・井上温大投手

<高校野球練習試合:前橋商12-1拓大紅陵>◇22日◇前橋商グラウンド

9年ぶりの群馬大会優勝を目指す前橋商が快勝した。

プロ注目の左腕、井上温大(はると)投手(3年)が先発し、5回を1安打2四球、無失点の好投。最速144キロの直球を軸に8三振を奪う投球に、視察したプロ野球スカウトの評価も急上昇だ。

井上が千葉の実力校を沈黙させた。立ち上がりこそ制球に苦しんだが、尻上がりの投球。最速144キロを計測した直球に加え、カーブ、スライダー、シュート、チェンジアップを操り、相手に付け入る隙を与えなかった。

「点数をつけるなら70点。課題としている立ち上がりに四球を与えたのはいけない。でも、4回からは自分の投球ができたと思う」

174センチ、68キロとスリムな体だが、しなやかなフォームから切れのあるボールを投げ込む。全国的には無名の存在も、春季県大会準々決勝の高崎健康福祉大高崎戦で救援登板し、5回を無失点に封じて一躍、評価を高めた(試合は1-3で敗退)。

ネット裏からは巨人、楽天、広島のスカウトが見つめていた。楽天沖原佳典スカウトは「いじるところが見当たらない。3年後にはすごい投手になっているはず」と将来性を高く評価した。

高校生活最後の大会は、7月9日に1回戦(対富岡、高崎城南)を迎える。「自分が一番と証明できるような投球をして、優勝したい。自信はあります」と9年ぶりの県大会制覇を見据えた。