開星・田部 山陰で伝説を作った「シフト」破り打

ドラフトファイル:田部隼人

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開星(島根)・田部隼人は山陰で「伝説」を作っていた。昨秋の県準決勝。大社の守備陣が大胆な田部シフトを取った。二塁、右翼はがら空き。中堅から左に4人が陣取った。右の強打者は構わず強振し「左前打」。惜敗したが田部への警戒が分かる。

春からは強力打線に勢いをつける1番打者。遊撃の守備は華がある。背番号をもらったのは1年秋。直前の甲子園はスタンド応援。「監督は僕のことも知らないと思っていた」。尊敬する1学年上の杉本涼内野手(近大工学部)を追いかけ遊撃レギュラーをつかみ、主軸を打った。最上級生で副主将になっても変わらず謙虚な田部は「注目される選手と思ったことはありません」とほほえんだ。

体重は高校で約20キロ増え、身長も184センチまで伸びた。まだ成長中だ。「甲子園に行きます」。名前を売る夏になる。【柏原誠】