滝川、復刻ユニで49年ぶり夏1勝目指す/北北海道

北大会で使用する復刻ユニホームを手に笑顔を見せる滝川のエース宮内(撮影・浅水友輝)

第101回全国高校野球選手権(8月6日開幕=甲子園)の北北海道大会が13日、旭川スタルヒンで開幕する。出場16校は12日、公式練習を行った。29年ぶり出場の滝川は、前回道大会出場時のものを模した復刻ユニホームで、70年以来49年ぶりの道大会夏1勝から初の甲子園切符をたぐり寄せる。2年ぶり出場の網走南ケ丘は、地区3試合で24奪三振の最速145キロ左腕、石沢大和(3年)を中心に52年ぶりの聖地を目指す。

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滝川ナインが地区大会を勝ち進み慣れ親しんだユニホームで最後の汗を流した。約20分の公式練習ではキャッチボールやノックで旭川スタルヒンの土を踏みしめ、グラウンドの感触を確かめた。初めてマウンドに上がったエース右腕、宮内健塁(たける=3年)は「特に違和感はなかった。投げやすいですね」と雰囲気を楽しんだ。

29年ぶりの北大会を勝負服で戦う。90年以来の地区大会突破で盛り上がるチームは、前回出場時のユニホームをリバイバルし、13日の開会式から着用する。えんじを基調とした色合いは変わらないが、「滝川」と縦書きだった学校名を、ローマ字で「TAKIKAWA」と横書きにした。古川拳成主将(3年)は「先輩たちの期待にも応えたいし、自分たちの代からまた歴史をつくっていきたい」と気合十分に話した。

今年は学校創立90周年を迎える。地域の伝統校として期待も大きく、OBからは北大会出場決定後にバットなど物資支援も受けた。試合当日は200人規模の有志の応援団も球場に駆けつける予定だ。畑瀬善信監督(44)は「歴史の重みを感じている。気負わずに一生懸命プレーしたい」。伝統の打ち勝つ野球に宮内を中心とした4投手の継投で、まずは夏49年ぶりの道大会1勝、そしてその先にある聖地を見据える。

ベンチ入り全員が空知管内の中学出身で、地区大会前には同地発祥の松尾ジンギスカンの店舗で決起集会も行った。15日の1回戦は地区2試合で31得点を挙げた強打の旭川龍谷が相手。宮内は「プレッシャーも不安もあまりない。楽しんで投げたい」。復刻ユニホームに袖を通し、新たな歴史を刻む夏にする。【浅水友輝】