東農大三・飯島が母と磨いた直球で完投勝利/埼玉

ドラフトファイル:飯島一徹

<ドラフト候補生全員!? 会いに行きます>

<高校野球埼玉大会:東農大三5-2本庄東>◇13日◇2回戦◇熊谷公園野球場

“母譲り”の真っすぐで勝利に導いた。東農大三(埼玉)のプロ注目右腕、飯島一徹(3年)が2失点完投。「力みました。昨日のブルペンの方が調子はよかったですね」と振り返ったが、直球は自己最速更新の147キロをマークした。

一徹という名は「古風ないい名前」と、漫画「巨人の星」の星飛雄馬の父、一徹から母玲奈さんが名付けた。女手一つで育てた玲奈さんは「野球以外のスポーツでは遊んであげませんでした。野球なら遊んでくれるという刷り込みをしていました。一徹という名前をつけてしまったのでね」と笑いながら明かした。息子が本格的に野球を始めた小学2年からは、どんなに忙しくても毎朝仕事前にキャッチボール。野球経験はなかったが、スカートでも座って受ける“専属捕手”を務めた。

玲奈さんはカーブを投げられるようにまでになり、今も暇ができるとボールを受けるというが、球は硬球…。「本気で投げてないって言うんですけど、手のひらが痛いんです」と話す顔はうれしそうだった。飯島の一番自信のある球は、母と二人三脚で磨いたストレート。「目標は甲子園出場です。150キロを出して勝てる投手になりたい」と意気込んだ。【佐藤成】