東海大札幌・鈴木 伝説OBの助言体現/南北海道

東海大札幌対鵡川 東海大札幌先発の鈴木(撮影・佐藤翔太)

<高校野球南北海道大会:東海大札幌8-1鵡川>◇15日◇1回戦◇札幌円山

東海大札幌の背番号1鈴木一茶投手が投打で主役となった。1回に先制されたものの、2回1死一塁の第1打席。左翼ポール際へ大会1号となる逆転2ランを放った。

「自分で点を取られたので、何とかして点を取り返したいと思った。入ってくれればいいと願っていた」。自身を“援護”し、マウンドでの勢いも増した。2回以降は「0」を並べ5回2安打1失点。先発としての仕事を全うした。

菓子職人一家の長男として、器用な指先で巧みな投球術を見せた。スライダーとカットボールを使い分け打者を惑わせた。14年夏、甲子園に出場したOB西嶋亮太さん(23、当時は東海大四)から「大きく曲がるボール」より、「小さく曲がる」変化球で打ち取る大切さを助言してもらい、磨いてきた成果が出た。

家族は地元の黒松内町で菓子店を営む。父直樹さんが作るガトーショコラが好き。「自分は不器用。繊細さがない」と、店を継ぐつもりはないが、ボールの扱いは一級品だ。

あこがれの先輩と同じ聖地のマウンドに立つのが目標。「1戦1戦しっかり勝って、甲子園を目指したい」。西嶋さんの代名詞だった超スローボールも練習中。今大会での披露も、ひそかに狙っている。【保坂果那】

▽東海大札幌・大脇英徳監督 初戦で緊張感のあるなか先制され、嫌な流れを返すことができて良かった。みんなで全力で勝ち上がっていきたい。