札幌国際情報1勝、代打高橋適時打で勢い/南北海道

札幌国際情報対札幌平岡 7回裏札幌国際情報2死一、三塁、右前適時打を放ちガッツポーズをする高橋(左奥)(撮影・佐藤翔太)

<高校野球南北海道大会:札幌国際情報10-3札幌平岡>◇15日◇1回戦◇札幌円山

南北海道大会が開幕した。3年ぶり出場の札幌国際情報が札幌平岡を10-3で下し、夏は05年以来14年ぶりに初戦を突破した。

1点差に詰め寄られた7回2死一、二塁で、背番号「15」の代打高橋瑠斗(2年)が右前適時打。勢いを呼び戻し、一挙4点を挙げて突き放した。

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代打職人が、ひと振りで流れを引き戻した。1点差に迫られた7回2死一、二塁。今夏初打席に立った代打高橋は、初球を迷わずに振り抜いた。「代打は攻めの気持ちがないと追い込まれる。直球がきたので思い切っていった」。打球は右前に抜け、二塁走者の久保田が生還。この1点でスイッチが入り、一気に5点差に広げ勝利を決定づけた。

試合中は控え選手として、バットボーイを務めている。チームメートのバットを小走りで取りに行き、片付けながら体を温めるのが仕事人のルーティンだ。「試合中は素振りができない」と、試合前に済ませ、試合中は相手投手の配球やタイミングを把握する。元日本ハムの有倉雅史監督(58)の教えもあり、一打席勝負に備えてきた成果が、大事な場面で生きた。

昨秋背番号5のレギュラーも、走塁に課題があり、今春から「15」に変更となった。だが今春の地区初戦札幌東戦では、同点の9回2死二塁で代打決勝打を放ち、この日も14年ぶりの夏1勝を引き寄せた。就任後初の南大会勝利に、同監督も「また勝負どころで決めてくれたら」と喜んだ。

あこがれる選手は、日本ハム時代に代打で勝負強さを発揮した二岡智宏氏(現BC富山監督)。高橋は「バット1本で勝負していた感じが渋かった。次の試合もチャンスがきたら役目を果たしたい」。96年以来23年ぶり4強に向け、バットを片付けながら、気持ちを高ぶらせていく。【永野高輔】