新潟明訓サヨナラ16強 9回2死4番本田が決めた

サヨナラの右前適時打を放ち、ナインの輪に飛び込む新潟明訓・本田(右)

<高校野球新潟大会:新潟明訓4-3六日町>◇15日◇3回戦◇柏崎市佐藤池球場

新潟明訓が4-3のサヨナラ勝ちで六日町を破り、4回戦進出を決めた。3-3の9回裏2死二、三塁で4番本田健人左翼手(3年)が右前にサヨナラ適時打を放った。これで16強が出そろった。今日16日は試合がなく、17日に4回戦8試合が行われる。

チームメートが待つ歓喜の輪に向かって、本田はジャンプしながら加わった。「チームに貢献できた。うれしかった」。背中や頭をたたかれながら、サヨナラ勝ちの実感に浸った。

「打った瞬間、抜けたと思った」。9回裏2死二、三塁、六日町のエース青木与夢(あとむ=3年)のスライダーを右前に運ぶ。8回裏に3-1と勝ち越すが、直後の9回表に同点にされた。そんな2時間24分の熱戦に決着をつけた。

伏線はあった。その前の打席、1-1の8回裏1死三塁から一時勝ち越しの中前適時打。先頭打者で迎えた7回裏の第3打席は中越えの二塁打で同点の口火を切った。「終盤になって青木君の球威が落ちていた」。冷静に甘く入る球を狙い、勝負どころの終盤の3打席連続安打で2打点はまさに4番の活躍だった。

島田修監督(54)は「信頼している4番。ベンチの中でも『本田にまわせ』という声があった」と話す。春季県大会では調子はいまひとつ。初戦2回戦の新津南戦で3打数無安打など1本が出なかった。夏に向けて島田監督とマンツーマンで連日のようにティー打撃を行った。その中で「体が後ろから回らないように」(本田)とフォームを修正した。今大会2回戦の新潟青陵戦でも3打数1安打1打点。成果は数字が物語る。

5回まではチームは青木に無安打に抑えられていた。島田監督は「手の打ちようがなかった」と相手エースを絶賛。一方で「ベンチの雰囲気は明るかった」と選手の底力も信じていた。これで春季県大会と同じ16強入り。もちろん、まだ道半ばだ。「次も4番の仕事をしたい」。本田は17日、加茂暁星との4回戦に視線を向けた。【斎藤慎一郎】