智弁和歌山・元阪神中谷監督、夏初陣勝利/和歌山

和歌山大会2回戦 和歌山南陵対智弁和歌山 9回11奪三振の無失点で勝利に貢献する智弁和歌山・池田陽佑投手(撮影・清水貴仁)=2019年7月17日、紀三井寺公園野球場

<高校野球和歌山大会:智弁和歌山4-0和歌山南陵>◇17日◇2回戦◇紀三井寺

智弁和歌山が初戦の和歌山南陵戦に快勝した。投打の主力が仕事をした。

背番号1をつけるエース池田陽佑投手(3年)が5安打完封。ピンチで三振を狙って奪うレベルの高い投球を見せ、11奪三振で実力校を退けた。初戦の重責を担った右腕は「70点です。もっと楽な投球ができた。途中からは大胆にいけました」と反省を口にした。

阪神、楽天などでプレーした中谷仁監督(40)は昨年8月の就任以来、初めての夏を迎えた。今春のセンバツは経験しているとはいえ「周囲が夏は違う、違うと言うので変に意識してしまう」と苦笑いしたが、実際に勝手が違った様子。「初戦で難しかった。経験豊富な彼らでも緊張していた。僕も緊張しました。それでこういう入りになってしまった」と振り返った。

らしくない硬さがあった。最初の守り。1死から平凡な打球を二塁手の黒川史陽主将(3年)がトンネル。「見事なトンネルでした。その代わり打撃でガチンと行くかと思ったら(1回の先頭で)ボテボテの投ゴロ。注目されている中で『おいおい』となりましたけどね」と指揮官も苦笑い。

ただ、地に足が着くと強かった。4回に1年生4番の徳丸天晴外野手が左中間二塁打。無死一、二塁として東妻純平捕手(3年)が中越えに三塁打を放って2点先制した。東妻は8回にも左線二塁打で4点目を挙げた。

相手の岩谷勇希投手(3年)は右横手の変則タイプ。対戦経験の多い和歌山南陵は外野を深く下げたり、左右に寄せたりと守備シフトをとってきた。東妻は「外野の前に落とそうと思ったらスイングが緩くなる。上からたたきつぶして、速いライナーをという意識だった」と対策を明かした。