宇都宮工・宇賀神3安打、好機楽しめる強心臓/栃木

宇都宮工対栃木工3回表宇都宮工1死二塁、宇都宮工・宇賀神聖内野手(3年)は先制適時二塁打を放つ(撮影・佐藤勝亮)

<高校野球栃木大会:宇都宮工5-1栃木工>◇17日◇2回戦◇栃木県総合運動公園野球場

宇都宮工(栃木)が主将で1番の宇賀神聖内野手(3年)の活躍で、シード校・栃木工との県立強豪対決に勝利した。先制適時二塁打を含む3安打。13日の1回戦、シートノック中に送球が当たり緊急搬送された大森一之監督(52)に今夏の采配初勝利を届けた。

同点で迎えた3回1死二塁、宇賀神は2球続いたスライダーを右方向にかっ飛ばした。「初球がスライダーだったので、待っていました」とガッツポーズだ。 待ちに待った瞬間だ。「チャンスが大好き。ヒーローにもなれる」と笑う。昨夏の3回戦のことだ。5点を追う9回裏、逆転のチャンスでネクストバッターサークルにいた宇賀神は、大森監督を見てにやけた。結果的に前打者のサヨナラ本塁打で打席は回ってこなかったが、強心臓ぶりに監督を「あいつはチャンスを楽しめる。僕を見て笑ったんだよ」と驚かせた。

チャンスで集中すればするほど、楽しくなる。宇賀神は「本気になるということは、その種目を楽しむことだから」という。この日も「チャンスは打点のもらい時」と前向きに捉え、結果を出した。次戦は甲子園に5度の出場経験がある宇都宮南と戦う。「気持ちと勢い、冷静なプレーで攻める野球で勝ちます」と意気込んだ。【佐藤勝亮】