<高校野球岡山大会‥倉敷工4-3津山商>◇18日◇2回戦◇倉敷マスカットスタジアム
倉敷工が終盤の猛追を振り切り、初戦を突破した。
先発の石井礼真(れいしん)投手(3年)が、11安打を浴びながらも3失点に抑えた。
降雨の影響で試合は3回裏の途中に約30分間、中断。いったん弱まったものの、最後まで雨は降り続けた。「苦しい試合でしたけど、今年のチームは『負けない野球』をテーマにやっている」。4-2の9回、先頭打者に二塁打を浴びるなど1死満塁から押し出し死球で1点差に。なおも1死満塁とピンチは続いたが、最後は落ち着いて二ゴロ併殺に仕留めた。根気強くマウンドに立ち続け「負けない野球」を体現した。
倉敷工には電子機械科、ファッション技術科など5つの科があるが、石井は機械科に所属。「炉で鉄を溶かして、砂で作った型に流し入れて鉄亜鈴を作ったりしています」。野球部の3年生では2人だけ。溶ける温度や色を相談しながら作り、旋盤を使って削る作業も行う実践的な授業だ。作られた鉄亜鈴を野球部でも使用。使わない分の鉄亜鈴はまた炉に入れて溶かし、次の実習で使われているという。グラウンドを整備するトンボも、先輩が課題で作ってくれたものだ。
倉敷工で投手だった4歳上の兄礼音(れおん)さんを追って入学した。「兄が倉敷工で夏に甲子園に出られなくて、代わりにピッチャーをやろうと思った」。投手を始めたのは高校に入ってから。当初は上手投げだったが特色を出すために、高校1年の終わりにサイドスローに転向した。当初は慣れない動きから痛めることもあったが、今では上手投げだった時と同じくらい、最速130キロ前半が出るようになった。
「テンポよく投げて、倉敷工は打っていくチームなので、攻撃のリズムが作れるように、開き直っていきます」。今春の県予選はベスト4。兄の思いも背負い、「倉工」で甲子園出場を目指す。