球がパンケーキに見えた下妻一・古谷が貴重打/茨城

境対下妻一 パンケーキおねだりポーズをする下妻一・古谷(倉田祥太)

<高校野球茨城大会:下妻一8-3境>◇18日◇3回戦◇笠間市民球場

「妻一のパンケーキマン」が2安打3出塁と活躍し、下妻一(茨城)がベスト16入りした。

古谷一貴内野手(3年)は「この世の食べ物の中で一番好き」と認めるパンケーキ好き。「ボールが、パンケーキくらい大きく見えている」と第1打席の右前打を満足そうに振り返る。

中学生の時、行列のできる有名店「幸せのパンケーキ」で食べた味に衝撃を受けた。時間さえあれば評判の店をチェックしていた古谷にまさかが訪れたのは、高校1年の春だった。野球部では、体を大きくする目的の食育トレーニングが導入されていた。その中に「過度な糖質の摂取は控える」の厳格なルールが存在していたのだ。

大好物との別れを強いられた。夢に出てくるパンケーキの誘惑…食べられないのは分かっていても都内の名店に足だけ運び、雰囲気だけを味わい耐えた。

我慢も青春。自分に打ち勝って今がある。「今は全力で野球をやって。甲子園。その後、嫌というほど食べます」と2つの夢を追う。超ピュアなスイーツ男子の物語は始まったばかりだ。【倉田祥太】