関大北陽21点 打倒大阪桐蔭&履正社へ猛打/大阪

英真学園に圧勝し校歌を歌う関大北陽ナイン(撮影・南谷竜則)

<高校野球大阪大会:関大北陽21-1英真学園>◇18日◇3回戦◇万博記念公園野球場

春夏14度の甲子園出場を誇る関大北陽(大阪)が21得点の猛攻で3回戦を突破した。昨秋、大阪桐蔭に惜敗するなど実力十分。打倒・大阪桐蔭&履正社を強く意識してチーム強化を図ってきた。福知山成美(京都)は小橋翔大投手(3年)が1失点と粘りの投球を見せ、乙訓を延長10回サヨナラで退けた。

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大阪は2強だけじゃない! 関大北陽が破竹の勢いで3回戦を突破した。強い風が吹き、雨が降り注ぐ中、打線が爆発。芦田亮太外野手(3年)が2戦連発となる2ランを放つなど、4回に18点の猛攻を見せた。「思い切り、しぶとく振っていこうと思っただけ」。中止になってもおかしくない悪天候でも、黙々とバットを振った。計21得点で5回コールド勝ち。今大会は3試合で43得点と強打が目立つ。

秋季大会の準々決勝で大阪桐蔭に延長11回の死闘の末に惜敗。その悔しさを忘れないように、同校グラウンドのスコアボードに、当時のスコアを再現した。主将の赤松俊祐内野手(3年)は「練習が辛いときもスコアを見て悔しさを思い出す。全員で向かっていく。気持ちで負けない」と力に変えた。大阪には大阪桐蔭、履正社という全国でも屈指の2強が立ちはだかる。辻本忠監督(42)は毎日のように、両校の名前を声に出した。「2校は日本一のチーム。そのチームに勝つということは日本一のチームになるということ。練習で大阪桐蔭や履正社の名前が出ない日はない」。

ナインは雨にも風にも負けないタフさを身につけた。14日、大商学園との2回戦は今回よりも強い雨が降っていた。「もっとひどい雨でした。それがいい経験になった。選手たちは落ち着いていた。点を取れる時はもっといかんと。一生懸命やっている相手にも失礼」と指揮官は振り返る。赤松も「とことんいこうという気持ちだった。余裕という気持ちでは甘さが出る。次の試合につながらない」と大差にも試合に集中した。

春夏計14回の甲子園出場を誇る伝統校も、夏は99年を最後に遠ざかる。20年ぶりの大阪大会制覇へ。関大北陽が復活の時を迎える。【南谷竜則】