クラーク横田3安打、トイレの神様宿った/北北海道

クラーク対武修館 決勝進出に喜ぶクラーク・横田(中央)(撮影・西塚祐司)

<高校野球北北海道大会:クラーク5-4武修館>◇18日◇準決勝◇旭川スタルヒン

3年ぶりの聖地を狙うクラークは準決勝で武修館を5-4で下した。2年連続甲子園を目指す旭川大高は旭川北に10-1の7回コールド勝ち。北大会の連続での決勝同一カードは、75~77年の旭川龍谷-釧路江南戦以来となる。

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クラークの稼ぎ頭がまた打った。6番横田雄磨三塁手(3年)が3安打2打点の大暴れ。1-0の5回2死満塁ではアウトコースの変化球を振り抜くと、鋭い打球は逆方向の右中間フェンスに直撃。特大の適時二塁打で貴重な2点を追加した。「なかなか打てない当たり。いつもやっている練習の成果が出ました」と声を弾ませた。

「トイレの神様」が宿っているのかもしれない。今夏は19打数12安打10打点と絶好調だ。安打、打点ともにチームトップで打線をけん引している。全寮制のため、身の回りの役割を当番で決めている。今年はトイレ掃除係に真っ先に立候補した。午前6時30分に起床するとすぐにゴム手袋をつけ、眠い目ではなく便器をゴシゴシこするのが日課だ。「打てているのはたまたまバットに当たっているから。(神様が)見てくれているのかな」と笑った。

フレンドリーなマッチョだ。胸囲110センチでベンチプレスは110キロを持ち上げるパワーの持ち主。だがそのチームで最も厚い胸板に下級生からは「デブ」と呼ばれることも。だが「上下関係は気にしてない。それも先輩から受け継いでいます」。この日もスタメンは3年生5人、2年生4人。普段の明るい雰囲気で試合にもハイテンションになり、一丸で戦っている。

新チームは昨秋から2季連続、完封負けで地区敗退。今夏に横田が6番に入ってから鳴りを潜めていた打線がつながるようになってきた。さぁ、決勝。3年ぶりの甲子園出場の前に立ちはだかるのは、昨年に3-5で敗れた旭川大高だ。当時はスタンドで声を張っていた横田は「戦っていた先輩たちはかっこよかった。決勝はすごい良い投手だけど自分の打撃ができれば」。野球の神様を振り向かせて、先輩のリベンジを果たす。【西塚祐司】

○7回途中から登板して逆転を許さない力投を見せたクラークの早坂 今まで浦崎に助けてもらっていた。絶対に抑えようと思った。

○旭川大高との2年連続の決勝に向けてクラークの佐々木啓司監督(63) 自然体で臨みたいですね。まずは立ち上がりを乗り切りたい。