黒沢尻工4年連続8強、重量級打線が爆発/岩手

4年連続8強入りを導いた黒沢尻工の重量級クリーンアップ。左から3番石塚、4番佐々木、5番土屋(撮影・鎌田直秀)

<高校野球岩手大会:黒沢尻工10-3千厩>◇20日◇4回戦◇岩手県営野球場

黒沢尻工は重量級クリーンアップが活躍し、千厩を10-3の7回コールドで破って4年連続の8強進出を決めた。

右肘痛から復帰した背番号1の81キロ土屋義吾(まこと)投手(3年)が「5番左翼」で今大会初出場。本来は捕手の「3番投手」83キロ石塚綜一郎投手(3年)、「4番一塁」98キロ佐々木駿介内野手(3年)の総体重は262キロ。元大関小錦の285キロには及ばないが、平均体重87・3キロで岩手県最重量の中軸が完成した。7回3失点完投の石塚は「パワーはかなりあると思う。これからも打のチームを示していきたい」と笑った。

序盤で相手に重~く、のしかかった。2回表に先頭の佐々木が中前安打でチーム初安打を放つと、土屋も右前安打で続き、一気に4得点を挙げて逆転。3回には石塚の左越え二塁打に、佐々木が強烈な右前適時打で加点した。土屋は「緊張したけれど、3番、4番が警戒されているので打ってかえしたかった」と2打数2安打2四死球と全打席出塁で貢献した。

メンバー最巨漢の佐々木は、花巻東・佐々木洋監督(43)のおいっ子だ。「毎年のように上位に入って甲子園に出場している監督なので誇りに思っています」。2安打だけでなく、7回には一塁から地響きをたてながらチーム10点目のホームイン。17年秋の県大会決勝で同監督と初対戦も、3-6で敗戦しただけに「倒して甲子園に行けたら最高です」と闘志を燃やした。

まずは、22日の準々決勝で一関一と対戦する。86年に秋田工を甲子園出場に導いた経験を持つ石橋智監督(58)は「ベスト8という響きが良いのか、選手たちは、なんだか手綱を緩めちゃう。締め直したい」。87年以来32年ぶりの4強へ“猛獣打線”が鼻息荒く壁を破る。【鎌田直秀】