八戸学院光星驚異の15本塁打 今度こそ日本一だ

応援席に向かって駆けだす八戸学院光星の選手たち(撮影・中島正好)

<高校野球青森大会:八戸学院光星12-4弘前学院聖愛>◇23日◇決勝◇はるか夢球場

八戸学院光星が12-4で弘前学院聖愛を下し、2年連続10度目の甲子園出場を決めた。初回に打者12人の猛攻で一挙8得点。3番近藤遼一一塁手(3年)の2本を含む4本塁打など、16安打の打線爆発で突き放した。チームの大会通算本塁打は驚異の15本。3季連続出場の光星が、強力打線で今度こそ甲子園の頂上を目指す。

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光星打線がすさまじい底力を見せた。1回表、1、2番の連打でチャンスをつくると、近藤が左中間スタンドに軽々と運んだ。先制3ランに応援席は大騒ぎだ。続く4番原瑞都右翼手(3年)もバックスクリーン右にたたき込んだ。2者連続アーチで一気にムードはヒートアップした。

勢いは止まらない。結局この回は8安打で8点。あっという間に試合の大勢を決した。近藤、原の今大会5号に続いて、2回には5番大江拓輝左翼手(3年)が右翼場外へ今大会初本塁打。6回には近藤がバックスクリーン左に大会6号アーチ。クリーンアップの1発攻勢で勝負を決めた。

近藤は「調子が良く、強く振ることができた。最高の形で流れをつくれた」と笑顔。昨年夏は不調で甲子園のメンバーから外された。その悔しさをぶつけた。1回戦の大間戦で個人の1試合最多本塁打タイ記録の3本塁打を放った原は「本塁打の数は関係ない。センバツで負けてから、チームみんなで戦うことを意識してきた」という。大江は大会序盤に不振だったが、仲井宗基監督(49)から「お前は光星の5番だ。自信を持て」と言われ、「それから調子が上がってきた」と指揮官に感謝する。

チームは今年、2度の危機を乗り越えた。センバツの初戦で広陵の河野佳投手(3年)に8三振3安打に抑えられ、完封負けした。仲井監督は「私の調整ミスだった。その後、チームはバラバラになった」と振り返る。春の県大会初戦では青森山田に敗戦。夏のシード権を逃した。チームは再び落ち込んだ。

仲井監督は「そこから立て直し、チームプレーに徹してきた。夏はいいチームになった」と目を細めた。主将の武岡龍世遊撃手(3年)は打撃不振で今大会7番や8番に下がった。だが、終盤から調子を上げてきて、準決勝から1番に上がった。この日は初回、先頭で中前にクリーンヒットを放ち、打線の導火線に火をつけた。武岡は「チーム一丸で戦う」と言い続けてきた。「まとめるのに苦労したが、やっと1つになれた」とにっこりだ。

11年夏、12年春夏の3季連続甲子園準優勝から7年。打線の力は今のチームが上ともいわれる。武岡は「青森県代表として1つ1つしっかりプレーし、優勝を目指す」と力を込めた。【北村宏平】

◆八戸学院光星メンバーの声

<1>後藤丈海(3年) 他の投手陣や野手が粘り強く接戦をものにしてくれた。

<2>太山皓仁(3年) 最後の夏。自分たちの代で甲子園に行けることが大きい。

<3>近藤遼一(3年) チャンスで打席が回ると思ったから集中できました。

<4>伊藤大将(3年) みんなに助けてもらった。次は自分がチームを引っ張る。

<5>下山昂大(3年) 決勝の独特な雰囲気があった。初回から気持ちで投げた。

<6>武岡龍世(3年) 自分が打てば流れができると思った。素直にうれしい。

<7>大江拓輝(3年) センバツでは何もできなかったのでリベンジしたい。

<8>島袋翔斗(3年) 意識してきた青森山田戦の山を乗り越えて勢いに乗れた。

<9>原瑞都(3年) 勝利に貢献できた。甲子園でもチームが勝つ打撃をしたい。

<10>山田怜卓(3年) 去年は甲子園でメンバーを外れた。今年は体験したい。

<11>横山海夏凪(3年) 打線の大量点があり、楽な展開で投げさせてもらった。

<12>中沢英明(2年) 春で甲子園の雰囲気は分かった。今度は絶対に勝ちたい。

<13>川上亘輝(3年) 春初戦で負けて、苦しい状況からまた1つになれた。

<14>大野僚磨(3年) 声が聞こえづらかったがランナーに的確な指示を出せた。

<15>丸山雄哉(3年) ノーシードからの逆襲で、全員野球と一致団結ができた。

<16>沢波大和(3年) 甲子園は率直にうれしい。1つ1つ勝っていきたい。

<17>道江勇斗(3年) 全員野球で勝てた。甲子園では1勝でも多く勝ちたい。

<18>渡辺太楼(3年) チーム一丸のテーマで、自分も仕事をまっとうできた。

<19>横山大輔(2年) 長かった大会。3年生のために必死にプレーできた。

<20>小林嶺太(3年) 甲子園は一生懸命、悔いが残らないように戦ってきたい。