小山台、また決勝で涙も「100点満点」/東東京

小山台対関東第一 4回裏関東第一1死三塁、平泉(奥)に先制の適時打を浴びる小山台・安居院(撮影・滝沢徹郎)

<高校野球東東京大会:関東第一4-0小山台>◇27日◇決勝◇神宮

都立勢16年ぶりの夏の甲子園は、ならなかった。小山台は関東第一に敗れ、初優勝を逃した。

昨夏に続き、決勝で敗退。ただ、涙にくれる選手はいなかった。福嶋正信監督(63)は「この大会、よく頑張りました。2年連続で、ここまで来た。選手たちを褒めてあげたい」と切り出した。2年連続決勝進出は、公立勢としては72年ぶり。今年のチームは「小山台史上最弱」と言ってきたが、「チーム全体の努力の成果です。レギュラー以外の子も精いっぱい、支えてくれた。目標の甲子園に、あと1勝は遠かったけど、関東第一という実力校と戦えた。100点満点だと思います」と目を細めた。

エースの安居院勇源(あぐい・たけもと)投手(3年)も「こんな弱いチームが、ここまできた。やり切った気持ちの方が強いです」と、時に笑顔も交え話した。

決勝を含む全6試合を1人で投げ抜いた。この日は援護がない中、外へのスライダー、内への直球系と丁寧に投げ、7回まで2失点で踏ん張った。8回に決定的な2点を失ったが、完投した。「関東第一は厳しいコースに投げても、ヒットゾーンに運ばれました。東東京のトップレベルのチームは一枚上手でした」と率直に振り返った。

昨夏決勝は先制しながら、二松学舎大付に逆転負け。今年は点を奪えなかった。後輩へのメッセージを請われたエースは「甲子園に行くチームとの差は何か考えて、来年こそ甲子園に行ってほしいです。僕らは技術的には劣っている。今日もこっちは点を取れなかった。技術で劣っている分、気持ちで負けないこと。技術の差を埋められるよう、気持ちの面で成長して欲しい」と願っていた。