智弁和歌山・黒川V弾 父の誕生日も前祝い/和歌山

智弁和歌山対那賀 初回、先頭打者本塁打を放つ智弁和歌山・黒川(撮影・松本直也)

<高校野球和歌山大会:智弁和歌山12-1那賀>◇29日◇決勝◇紀三井寺

智弁和歌山が那賀の好投手谷脇弘起(3年)を打ち崩し、3年連続24度目の夏の甲子園出場を決めた。

頼れる主将の一振りがチームを勢いづけた。初回に1番黒川史陽(ふみや)内野手(3年)が右翼へ高校通算34号の先頭打者アーチ。「打ったのは直球。追い込まれていたのでスライダーに対応しながら。完璧」。この1発を号砲に初回に3点先制。中谷監督も「大きい先制点」とたたえた。黒川は4回にも二塁打でチャンスメーク。中押し、ダメ押しと貫禄の試合展開を見せた。

約束を果たした。31日は父洋行さん(43)の誕生日。前日に「ホームランボールと金メダルをプレゼントするから」と誓った。チームを優勝に導く活躍で、約束を守った。洋行さんは「気持ちのいい本塁打だった。5季連続出場の重圧もあると思うが耐える強さがある」と喜んだ。

黒川は東妻純平捕手、西川晋太郎内野手とともに、過去にPL学園の「KKコンビ」ら9人しかいない5季連続甲子園メンバー入りの快挙も決めた。ただ夏の甲子園は17年が2回戦敗退、昨年は初戦敗退と、ここ2年で1勝だけだ。「5季連続出場と日本一は入学時の目標。今までは先輩たちに連れていってもらった。今度は後輩に背中をみせられたら。日本一をとりたい」。最後の夏に大きな目標を達成する。【松本直也】