桃谷先頭弾で履正社に勢い 最多タイ5発は冬の成果

履正社対霞ケ浦 1回表履正社無死、右越えに先頭打者本塁打を放つ桃谷(撮影・松本俊)

<全国高校野球選手権:履正社11-6霞ケ浦>◇7日◇1回戦

春夏連続出場の履正社(大阪)がド派手な本塁打攻勢で霞ケ浦(茨城)を圧倒した。

1番桃谷惟吹(3年)の先頭打者&最終回弾の2発を含む1試合5本塁打は06年智弁和歌山に並ぶ大会最多。センバツでは初戦で星稜・奥川恭伸投手(3年)に3安打完封負け。悔しさをバネに、強力打線で甲子園に帰ってきた。

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プレーボールのサイレンからわずか52秒で、衝撃の本塁打攻勢が始まった。1番桃谷が先陣を切った。プロ注目の霞ケ浦・鈴木寛の145キロ直球を逆方向へはじき返した。右翼席に飛び込む先頭打者本塁打。「塁に出ることを目標に、その延長がホームランになった」。4番井上広大(3年)にもソロが飛び出し、初回から2発。これは序章に過ぎなかった。

今度は下位打線が快音を響かせる。3回に8番野上が左中間へ2ラン。5回には7番西川がソロ本塁打。最後を締めたのは、桃谷だ。9回2死に左中間へ自身公式戦初の2発目を運んだ。「チーム的にも1点欲しいところで1本出せたのは大きい」。チームでは06年智弁和歌山に並ぶ大会最多の1試合5本塁打の記録を打ち立てた。

母との特訓の成果が出た。桃谷は2年春から、試合が近づくと自宅でティー打撃に取り組んだ。といっても硬球ではなく、新聞紙を丸めて粘着テープでくるんだ手作りボール。母千鶴さん(51)に投げてもらった。自分の納得がいくまで木製バットで打ち込んだ。大会直前にも「新聞ボール」で最終調整。千鶴さんは「その効果が出たのかな。(2発に)ビックリしました」と笑顔を見せた。同校OBで同じ兵庫伊丹(ヤングリーグ)出身のヤクルト山田哲に憧れる。応援歌も同じ曲をリクエストしている。

チームでも打撃向上に力を入れてきた。昨年12月にアシックスの協力を得て、スイングスピードやミート力などの数値を測定。野手、投手で約5時間をかけてさまざまな数値を出し、冬の練習に生かした。春季大会後に再び測定を行うと、5人しかいなかったスイングスピード140キロ超えの選手が10人以上に。桃谷もその1人だった。岡田龍生監督(58)は「投手以外は本塁打を打てる状況。私もずっと甲子園に出ているけど、トータル5本も打ってないんじゃ…」と成長に目を細める。

センバツでは星稜・奥川に3安打完封され、初戦敗退。悔しさを胸に、履正社ナインが驚異の長打力を披露した。くしくもこの日、奥川が完封発進。強力打線がリベンジの時を待つ。【奥田隼人】

▽履正社OBのヤクルト山田哲 勝ったら、うれしいです。1つでも多く試合をしてほしい。楽しみにテレビで見ます。

▽履正社OBのヤクルト宮本 優勝が目標だと思うので、まだ通過点。しんどいと思うけど、一生記憶に残るのでいい思い出を作ってほしい。

▽履正社OBのヤクルト中山 圧倒した力を見せつけてほしい。まだ優勝したことがないので、してほしいです。

◆毎回安打 履正社が記録。昨年の木更津総合(対興南)以来で87度目。