来田、井上らニッカンが選ぶ来年のU18精鋭20人

左から明石商・来田、花咲徳栄・井上、大阪桐蔭・西野

【機張(キジャン・韓国)8日=金子真仁、柏原誠】日本はU18ワールドカップ(W杯)で5位に終わった。

世界ランク1位の威厳を取り戻すべく、日刊スポーツは2020年世代の高校日本代表を世界一早く、勝手に選出。ソフトバンク柳田にならい“キータ”と呼ばれる明石商(兵庫)・来田涼斗外野手(2年)を軸に、野手に逸材をそろえた。捲土(けんど)重来だ。

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5位の悔しさは必ず晴らす。W杯を戦い抜いた東海大相模の2年生鵜沼は「来年ももちろん選ばれたい。今度は自分で引っ張りたい」と早くも燃える。1年後のJAPANメンバーは誰になるか。鵜沼は「来田ですかね」とフルスイング男の名を真っ先に挙げた。

木製バットに対応しきれず、今大会の日本はチーム打率2割5分9厘と苦しんだ。来田、花咲徳栄・井上、大阪桐蔭・西野など、ハードパンチャーの存在は必須だ。今回のW杯では内野手7人のうち6人の本職が遊撃手で、不慣れなポジションでのミスも散見した。露見したウイークポイントをふまえて議論を重ね、金の卵を選出してみた。

来年はU18アジア選手権に出場し、2年後は米国で行われる予定のW杯が待つ。今度こその世界一を見越し、投手陣には高知の右腕・森木、仙台育英の左腕・笹倉らの2年生時点での代表入りも期待される。

今回のW杯を戦った永田監督以下スタッフは一度解散する。選手選考は来春センバツから始まり、そこまでに新指導体制も決まる予定。ひと冬越えて一気に台頭する高校生も必ずいる。“ニッカンJAPAN”の20人もうかうかできない。

▽選考は難航した。投手では木更津総合(千葉)・篠木健太郎、中京大中京(愛知)・高橋宏斗の両右腕、横浜(神奈川)の左腕・松本隆之介(いずれも2年)らも十分な実力だ。浦和学院(埼玉)のサイド右腕・美又王寿投手(2年)ら変則投手の成長にも期待。捕手は横山、内山とも他ポジション兼任で、専任プレーヤーの台頭が待たれる。1年生では愛工大名電(愛知)・田村俊介投手も楽しみな存在だ。

<投手>

・中森俊介(なかもり・しゅんすけ)

明石商(兵庫)、右投左打

威風堂々のエース候補は今夏甲子園で151キロ記録。ピアノで培った指先感覚で低めを次々突いていく

 

・高田琢登(たかだ・たくと)

静岡商(静岡)、左投左打

富士山麓生まれの左腕は最速140キロ台中盤に届くなど急成長中。ひと冬越え日本一の左腕になれるか

 

・笠島尚樹(かさしま・なおき)

敦賀気比(福井)、右投右打

先発候補のスリークオーター。高い制球力でゴロを打たせるスタイルは球数制限ある国際大会向き

 

・若杉晟汰(わかすぎ・せいた)

明豊(大分)、左投右打

今春センバツで名を上げた九州屈指の左腕。回転の多い直球で勝負。珍しい左投げ右打ちで随所に器用

 

・豆田泰志(まめだ・たいし)

浦和実(埼玉)、右投右打

全国では無名ながら、172センチから日本ハム吉田輝星のような伸び上がるストレートを投げる抑え候補

 

・森木大智(もりき・だいち)

高知(高知)、右投右打

中学軟式で150キロを投げた怪物投手は、高校硬式野球でもすでに148キロ。再来年W杯のエース候補

 

・仲三河優太(なかみがわ・ゆうた)

大阪桐蔭(大阪)、右投左打

栃木・小山ボーイズ時代にU15でも活躍しスーパー中学生と話題になった。投げない日は外野起用も

 

・笹倉世凪(ささくら・せな)

仙台育英(宮城)、左投左打

右が森木なら左は笹倉。今夏甲子園でも厳しい局面で度胸満点の投球を繰り返した、みちのくの快速の貴公子

 

<捕手>

・横山陽樹(よこやま・はるき)

作新学院(栃木)、右投右打

佐々木朗希から三塁打の強打者。来年は強肩捕手として2年連続で「選出」。中学で世界大会V経験

 

・内山壮真(うちやま・そうま)

星稜(石川)、右投右打

今年のU181次候補で佐々木朗希とも仲良し。小柄ながら野球センス抜群で遊撃手候補としても想定

<内野手>

・西野力矢(にしの・りきや)

大阪桐蔭(大阪)、右投右打

高校先輩の日本ハム中田にあこがれる、ずっしり体形のハードパンチャー。あだ名は「ごんちゃん」

 

・小深田大地(こぶかた・だいち)

履正社(大阪)、右投左打

懐の深い打撃が魅力で、今夏甲子園Vに貢献した。練習試合では星稜・奥川から本塁打を放ったことも

 

・度会隆輝(わたらい・りゅうき)

横浜(神奈川)、右投左打

元ヤクルト度会博文氏の次男で、バットコントロールは秀逸。満員の甲子園でも通るほどの大声も自慢

 

・奥村真大(おくむら・まさひろ)

龍谷大平安(京都)、右投右打

父、兄のヤクルト奥村展征に続き、甲子園で活躍したサラブレッド。攻守のバランスに優れた内野手

 

・宗山塁(むねやま・るい)

広陵(広島)、右投左打

昨秋神宮大会で星稜・奥川から2安打した好打者。守備走塁もハイレベルで代表に欠かせない存在か

 

・角田勇斗(かくた・ゆうと)

習志野(千葉)右投右打

守備範囲の広さと強肩を備えた遊撃守備は全国トップ級。度会とは名門・佐倉シニアのチームメート

 

<外野手>

・井上朋也(いのうえ・ともや)

花咲徳栄(埼玉)、右投右打

強振中心ながら年間220安打超を記録する4番候補。2年連続甲子園敗退時に号泣。空手は黒帯の腕

 

・来田涼斗(きた・りょうと)

明石商(兵庫)、右投左打

独特のルーティンとフルスイングで注目を集める来年の高校生スター候補。「きだ」ではなく「きた」

 

・鵜沼魁斗(うぬま・かいと)

東海大相模(神奈川)、右投右打

今大会の愛されキャラは来年の侍主将候補。「代表の前に、まずは甲子園春夏連覇を」と燃えている

 

・細川凌平(ほそかわ・りょうへい)

智弁和歌山(和歌山)、右投左打

50メートル5秒8を誇る、身体能力抜群の侍1番打者候補。実家は京都・嵐山の保津川下りで売店船を営業中