朗希の1継ぐ大船渡・前川が完投8強で花巻東と再戦

準々決勝進出を決めて校歌を歌う大船渡の選手たち(撮影・鎌田直秀)

<高校野球秋季岩手大会:大船渡5-2水沢>◇16日◇2回戦◇花巻球場

今夏準優勝の大船渡が5-2で水沢を破り、約2カ月前の決勝で敗れた花巻東との再戦へ駒を進めた。

悔しさを味わった3年生の思いも背負い、佐々木朗希投手が入学後につけていた「1」「20」の2人が躍動。エース左腕・前川真斗(2年=写真は題字)は、伊保内との1回戦に続いて2戦連続完投。8安打を許したが、無四球で2失点と粘った。決勝の7回から登板して3回4安打3失点だった前川は「抑えられるイメージはないけれど、コースをついていきたい。東北大会につなげるためにも勝ちたい」と気持ちを込めた。

新チーム始動後は重圧に押しつぶされそうになったこともあった。「比べられることになって大変ですが、必死にやっています。普通の高校の背番号1とは違いますし…」。160センチ、60キロの体を、さらに小さくかがませて苦笑い。だが、佐々木から学んだ交代浴で疲労回復に努め、マウンドを守り続けた。

佐々木が2年夏まで背負った出世番号20をつける「8番三塁」武田慎之介(1年)も2回表に先制の中前適時打。7回には左中間に適時二塁打を放つなど3安打2打点の活躍だった。「重い番号だと思っている。3年生には練習でも声をかけてもらっているので、声でも貢献して、花巻東にリベンジしたい」。18日の決戦で、先輩たちにも吉報を届ける。【鎌田直秀】