巻が延長サヨナラ 重野「取り返そう」ミス帳消し打

三条対巻 巻の延長12回1死一、二塁。重野の遊安で二塁走者・渡辺がサヨナラのホームイン

<高校野球秋季新潟大会:巻7-6三条>◇21日◇4回戦◇新発田市五十公野公園野球場

巻の執念のサヨナラ勝ちだ。6-6の延長12回裏1死一、二塁。重野光哉中堅手(2年)の放った打球が三塁手のグラブを弾く。

ボールが三遊間後方に転々とする間に二塁走者・渡辺優三塁手(1年)が一気にホームを狙った。スライディングでホームインすると歓喜の輪ができた。打席に入る前には重野には清水一弥監督(54)から「振り切れ」の声が飛んだ。内角直球をたたいたが「サードゴロだと思った」と重野。「併殺は防がなきゃ」と全力疾走したが一塁ベースに到達したところで「サヨナラと分かった」。ベースを踏み忘れるミスもあった。3回1死満塁、8番大岩の左飛で一塁走者だった重野は「抜けた」と打球判断を見誤り、スタート。二塁を回ったところで捕球に気付いたが二塁ベースを踏まずに帰塁。アピールプレーでアウトになった。犠飛で得点は認められたが、押せ押せのムードに水を差し「何とか取り返そう」という気持ちがサヨナラ打の打球には乗っていた。秋8強はベスト4入りした14年以来。清水監督は「我慢のゲームを何とか乗り越えられた」と劇的勝利に胸をなでおろしていた。【山岸章利】