加藤学園がサヨナラ4強 今夏代表校の静岡撃破

準決勝進出を決め、吉田(左から4人目)を中心に歓喜の輪を作る加藤学園ナイン

<高校野球秋季静岡大会:加藤学園5-4静岡>◇21日◇準々決勝◇草薙球場

加藤学園が、今夏甲子園出場の静岡高にサヨナラ勝ちし、2年連続の4強入りを決めた。4-4の9回裏に代打・吉田光輝(1年)が、サヨナラ安打。

昨秋の3位決定戦でサヨナラ負けした相手にリベンジを果たした。敗れた静高は、来春のセンバツ出場が絶望的となった。聖隷クリストファーは、今春県王者の浜松商に10-3のコールド勝ち。静岡商、藤枝明誠も快勝でベスト4進出。準決勝は今日22日、草薙球場で行われる。【前田和哉、河合萌彦】

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加藤学園の吉田が「光輝」の名前通り、光り輝いた。4-4の9回裏1死一、二塁。代打で今大会2打席目の出番が来ると、カウント2-2からの5球目だった。「3球目にスライダーを空振りしていた。変化球で押してくると思った」と、狙い通りスライダーに反応。バットの先で捉えた打球は、左翼線で弾んだ。

公式戦初安打、自身初のサヨナラ安打で王者・静岡を撃破。吉田は「みんなで戦っていた。自分が決められてうれしい」と笑った。この日、7回に4番大村善将内野手(2年)が一時逆転となる2ランを放ち、先発右腕の肥沼竣(2年)も9回10安打4失点の粘投。チームがつないだ勝利への流れを、結果につなげた。

先輩の思いも背負った。昨秋、勝てば東海進出となる3位決定戦で静岡にサヨナラ負けした。あと1歩で涙をのみ、当時の痛みを知る3年生11人全員が、今夏の引退後も練習をサポートしている。吉田は「雰囲気良く練習できているのも3年生のおかげ。リベンジできて良かった」と、声を弾ませた。東海切符まで残り1勝。静岡商との準決勝へ、勢いは十分だ。