吉報待つ駿河総合・紅林「不安大きい」直前思い激白

練習中に仲間との会話で笑顔を見せる紅林

プロ野球ドラフト会議が17日、東京都内で行われる。県内からプロ志望届を提出した4選手を紹介する連載最終回は、高校通算40本塁打を誇る駿河総合の紅林弘太郎内野手(3年)だ。

指名が有力視される中、黙々と練習に取り組み、レベルアップをはかっている。プロ12球団から調査書も届いたスラッガーは、期待と不安を胸に当日を迎える。

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駿河総合の紅林は、ドラフトを目前にしてもリラックスした様子で練習を行っていた。木製バットを手に、ロングティー打撃で快音を連発。本人は「伸びないです」と首をかしげたが、打球は高い放物線を描き、はるか前方まで飛んでいった。「ある程度、守備には自信があるので、プロに打撃でアピールできるよう振り込んでいる」と話した。

大きな期待を受けた夏の静岡大会は、ノーアーチ。目標の甲子園出場もならなかった。「夏は打席で考えすぎてしまいました」。その後の甲子園大会やU18野球ワールドカップ(W杯)は、ダイジェスト版を目にしてライバルたちのプレーをチェック。「森(敬斗=桐蔭学園3年)や石川(昂弥=東邦3年)の活躍する姿を見て、自分の実力不足を痛感した」と、改めて悔しさを味わった。

進路については、家族内で社会人野球を推す声も出た。本人も実際に社会人チームの練習に参加。さらに、多くの人々に相談した結果「今後の人生を考えたら社会人でやるのも良いとは思ったが、その後にプロへ行けるとは限らない。後悔をしたくなかったので」とプロへの挑戦を決断した。

「野球をやっている時以外は、野球のことを考えたくない」と話すが、クラスメートから話題にされるなど、周囲が放っておかない。「みんなはいろいろ言うけど、自分は不安のほうが大きい」と正直な気持ちを打ち明けたが、「それだけ期待されているんだと思う。やることはやってきたので、あとは当日を待ちたいです」と運命の日を見据えていた。【河合萌彦】

◆紅林弘太郎(くればやし・こうたろう)2002年(平14)2月7日、藤枝市生まれ。小2から青島ホークスで野球を始め、青島中では1番遊撃手で活躍。駿河総合では1年夏からクリーンアップを担った。高校通算40本塁打。右投げ右打ち。186センチ、85キロ。家族は両親、姉、兄、妹。