名将高嶋名誉監督の孫奨哉ノーゲームも収穫のE&H

初芝立命対智弁和歌山 2回裏智弁和歌山1死一、二塁、高嶋奨哉は左前安打を放つ(撮影・奥田泰也)

<高校野球秋季近畿大会:智弁和歌山-初芝立命館>◇19日◇1回戦◇佐藤薬品スタジアム

来春センバツの出場校を決める参考資料の秋季近畿大会が開幕した。

6季連続の甲子園出場を目指す智弁和歌山(和歌山1位)と初芝立命館(大阪3位)の開幕戦は2回途中で天候不良によりノーゲームとなった。名将・高嶋仁名誉監督の孫、高嶋奨哉内野手(1年)が「九番三塁」で公式戦初スタメンとなり、1安打1打点。「めっちゃうれしくてめっちゃ緊張した」。もちろん記録は残らないが、日焼けした顔をほころばせた。

初回、自身に飛んできた打球を握り損ね、いきなり失策。先頭打者の出塁を許した。中谷仁監督(40)からは「エラー5つ、三振2つまでOK。想定内」と笑いに変えてもらった。2回1死一、二塁から「バッティングでカバーできた」と、左前打を放ち満塁の好機を演出。打者一巡して2度目の打席では1死満塁で犠飛を決め、この回9得点の攻撃に貢献。バットでミスを取り返した。

スタメンは練習試合を通じても初だったが、記念すべき試合は雨天ノーゲーム。中谷監督は「(高嶋は)何か持っている。いきなりヒット、いきなりエラーするあたりとか。打ったから雨が降ったんじゃないですか」とジョークを飛ばし「一生懸命頑張ってくれている」と期待を寄せた。

この日は高嶋名誉監督も球場で観戦した。名将の祖父に憧れ、名門の門をたたいた15歳は「切り替えて明日も結果出します」と頼もしかった。

なお第2、第3試合は中止となり、3試合とも20日に順延された。