日本航空石川が決勝進出、星稜と再戦「焦らせたい」

試合後に健闘をたたえ合う日本航空石川と北越の選手たち(撮影・柏原誠)

<高校野球秋季北信越大会:日本航空石川9-1北越>◇20日◇準決勝◇石川県立野球場

日本航空石川が北越(新潟)に大勝し、決勝進出を決めた。21日の決勝はコールドで勝ち上がった星稜との石川県勢対決。北信越の一般選考枠は2。準決勝の戦いぶりから、センバツにアベック選出の可能性が高まった。

投手として来年のドラフト候補に挙がる嘉手苅浩太投手(2年)は「4番三塁」で先発。初回1死一、二塁から中前に鋭くはじき返し、先制点をたたき出した。「投手の方が好きだけど打つのも好きです。1打席目以外は全然ダメだったので修正したい」と笑顔はなかった。

点差は開いたが、ここまで勝ち進めたのは投手の貢献が大きい。背番号10の田中颯希投手(2年)が1失点完投。制球力を生かしテンポよく試合を進める持ち味を出した。大仕事を果たした右腕は「センバツがかかっていたので緊張しました。今はホッとしています」と笑みを浮かべた。

決勝はライバル星稜と。県の決勝では2-16と完敗した。中村隆監督(35)は「食らいついて向こうを焦らせたい。石川といえば星稜。伝統があって野球のスタイルも王道。尊敬する存在です。県内に全国レベルの学校があるから県のレベルが上がるし、我々も現状に満足することがない。僕らは新参者なので、上回れるように頑張りたい」とチャレンジャーを強調した。

星稜に続くコールド勝ちは逃したが、大差をつけて決勝に進んだのは大きい。センバツの選考は地域性も考慮されるため、北信越では準決勝敗退の2チームも選考対象になってくるが、佐久長聖(長野)北越(新潟)ともに大差で敗れた。圧倒的な実力を示した石川2校が有利なのは間違いなさそうだ。