桐生第一エース宮下宝「僕の宝物はチームメート」

センバツ出場が決定し、ガッツポーズする桐生第一・宮下(撮影・加藤諒)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

「キリイチの宝」が夢舞台に挑む。4年ぶり6度目のセンバツを決めた桐生第一(群馬)のエース宮下宝(たから)投手(2年)が“宝物”を甲子園に持ち込む。

制球力重視の技巧左腕は「スピードが遅いので丁寧に打たせてとる投球をしっかりとやりたい」。昨秋の関東大会後からナックルカーブを習得し、投球の幅を拡大させながら吉報を待った。

最速131キロ、常時120キロ台中盤の直球と変化球で組み立てる。チームで誰もが認める努力家で特技は「努力」と自認する。両親に名付けられた名前がキラリと光るが「僕にとっての宝物はチームメート。バックを信頼して投げる。それが僕のピッチングだと思う」と、仲間があっての投球スタイル。冬場のウエートトレーニングも厳しい練習をともに乗り越えた仲間との絆は一層、強くなった。

11年8月に就任し、甲子園初采配となる今泉壮介監督(40)は「飛び抜けた選手はいない。真面目で頭がいい選手が多い。攻めの姿勢で思い切り、のびのびとした野球を見せたい」と見据える。まずは1勝。「スタンドにも行ったことがない。初めての甲子園なので楽しみです」と宮下。甲子園の魔物を“宝”が封じ込める。【為田聡史】