仙台一の元エース鈴木健さんが東大合格 プロ目指す

東大に合格し、色紙に「東大のエース」と目標を記した仙台一硬式野球部OBの鈴木さん(撮影・鎌田直秀)

仙台一(宮城)OBの最速140キロ左腕・鈴木健(たける)さん(19)が10日、東大(東京6大学)に合格した。一般入試(前期日程)合格者が発表され、インターネットで理科2類合格を確認すると「ずっと東大で野球がやりたいと思ってきた。まだ実感がないけれど、プロ注目の選手と対戦出来ることが楽しみ。東大の勝利に貢献したい」。同校硬式野球部としても19年ぶりの吉報。「東大のエース」と色紙に記し、「プロ野球選手になりたい」と目標を掲げた。

高3の18年夏は3回戦で仙台育英に8失点で敗退したが、キレ味鋭い直球が武器だ。「甲子園に行った育英に負けて、より一層、もっとうまい選手を倒したいと思いました」。昨年は理科1類を受験して悔しさも味わった。キャッチボールなどで野球の準備も続けてきたが、昨秋からはトレーニングを封印して、勉強に打ち込んで結実させた。体重も約10キロ増。「本格的な野球は1年半くらい遠ざかっている。これから1年間くらいは筋力を付けることが大事になってくると思う」。神宮のマウンドに早く立ちたい気持ちもあるが、焦らずじっくり、甲子園経験者がひしめくリーグで通用する体づくりを最優先するつもりだ。

仙台宮城野リトルシニア時代からの仲間で、仙台一でも切磋琢磨(せっさたくま)してきた主将の内田一心さん(19)も早大に合格したため、対戦出来ることも喜びの1つ。「東大志望理由は、ほぼ野球。勉強は1年かけて研究したいことを決めたいです」。宮城の秀才エースとして高校球界を沸かせた男が、東大エースへの扉を開けた。

◆鈴木健(すずき・たける)2000年(平12)7月21日生まれ、仙台市出身。六郷小4年時に六郷エコーズで野球を始め、六郷中では仙台宮城野リトルシニアでプレー。仙台一では1年夏からベンチ入り。球種はストレート、スライダー。今後はカーブやチェンジアップの習得を目指す。目標の選手は阪神藤川球児。185センチ、81キロ。左投げ左打ち。家族は両親と弟。