「この状況をプラスに」コロナ禍に常葉大菊川新監督

常葉大菊川の石岡新監督

今春、春夏通算10度の甲子園出場を誇る常葉大菊川高野球部の新監督に、同校OBで、正捕手として07年のセンバツ優勝に貢献した石岡諒哉(りょうや)氏(30)が就任した。

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、厳しい船出となる中、同氏にチームを率いる意気込みを聞いた。【取材・構成=河合萌彦】

活動自粛が続く中、チームは今月7日から全体練習を再開。石岡氏にとって、監督としての正式な始動となった。

--最初の練習を終えた心境は

石岡氏 それまでコーチとして指導していたので、あまり変わりはないですね。ただ、監督になったことで、選手に対しての責任は重くなっていくと感じています。

--どんなチームをつくりたいと考えていますか

石岡氏 自分は社会人野球でプレーして、1つのアウトや1点、1球に対する強いこだわりを学んできた。そういった野球を理想とし、全力で戦う姿勢を前面に出せるようなチームにしていきたい。

--常葉大菊川といえば、フルスイングが代名詞となっている

石岡氏 もちろん、そこは伝統なので変えていくつもりはありません。加えて、相手との駆け引きなどもまぜていけるようにしたい。

--高校時代の恩師である森下知幸監督(59=御殿場西高)とは、連絡を取り合ったのですか

石岡氏 監督になることが決まり、すぐに連絡をしたら「覚悟を持ってやれよ」と言われました。声がけや雰囲気づくりなど、森下さんから受けた影響は大きい。今後に生かしていきたい。

--思うように野球ができない日が続いています

石岡氏 選手たちは、この状況をプラスにしてほしい。今の時代は、プロ野球選手がインターネットの動画などで技術を教えてくれたりする。それらを参考にしながら、いかに自分で考えて効率よくやれるかだと思います。

--常葉大菊川の今後に期待しています

石岡氏 選手たちには、たとえ甲子園に行けなくても「ここに来たことで人として成長できた、来て良かったな」と思ってもらえるような指導をしていきたいです。

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◆石岡諒哉(いしおか・りょうや)1989年(平元)5月3日、浜松市生まれ。小1から浜松ジャガーズで野球を始め、積志中時代には浜松リトルシニアに所属。常葉学園菊川高(現常葉大菊川高)では、2年秋から正捕手。3年春のセンバツ優勝、同夏の甲子園4強入りに貢献した。同校卒業後、社会人野球で7年間プレー。浜松開誠館高でコーチを務めた後、17年4月から常葉大菊川高のコーチに就任した。右投げ右打ち。血液型O。家族は妻。