聖地挑む一関学院、力の近江と技の佐藤颯が打線点火

今夏の甲子園出場に挑む一関学院の佐藤颯(左)と近江(撮影・鎌田直秀)

一関学院(岩手)攻守の要、近江博人外野手(3年)と佐藤颯弥内野手(3年)が、12年夏以来8年ぶりの甲子園出場を導く。

準々決勝敗退の悔しさを味わった昨夏には主力で1、2番コンビを形成。今夏は近江がリードオフマン、佐藤颯はクリーンアップを担う可能性大だ。高橋滋監督が部長から昇格した昨秋に東北大会8強と経験豊富な3年生を中心に戦力は充実。沼田尚志前監督への感謝の意も込めて聖地切符に挑む。

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近江がパワーアップした長打力で頂点に立つ。フリー打撃だけでなく、実戦形式でも外野の頭を越える打球を連発。「ホームランを打てる選手が目標。自分のスイングをすれば打てる自信もついてきました」と胸を張った。

1年時から痛めていた右肘を昨年11月に手術。投げられなかった2カ月間に体重増を図った効果が打撃に直結した。昨秋に67キロだった体は82キロに15キロ増。白米中心で1日8食をノルマに、時にはお茶漬けで流し込んだ。打率と長打力が魅力な西武森の打撃フォームを参考に、リハビリ中も左手1本でティー打撃を繰り返した。「バットの軌道が変わって打球も上がるようになった」。春になって本格的に打撃練習を重ね、手応えは抜群だ。

岩手NO・1投手として入学し、1年秋の花巻東戦で好投を見せた逸材だ。肘痛で投手は断念したが、中堅手としての適性を見抜いたのは沼田前監督。「自分に、はまった。沼田先生には感謝しています。(高橋)滋先生も怒ると怖いのですが、厳しさに愛がある。絶対に甲子園に連れて行きたい。10年近く行ってない夏に、先輩やOBの方にも喜んでもらいたいです」。15年は花巻東に延長13回を戦って8-9、16年も盛岡大付に0-1と、決勝で1点差惜敗。近江が学院打線に火をつける。【鎌田直秀】

○…夏へ発車オーライ! 佐藤颯は鋭いスイングで広角に安打を量産する。「甲子園の夢を持って入学して3年間やってきた。最後の夏は絶対に譲りません。卒業後はJRに就職したいです」。祖父が仕事する姿や制服に憧れ、2つの目標をつかみとる決意だ。

昨秋の東北大会では優勝した仙台育英(宮城)に終盤に突き放され、体力面の差を痛感した。今冬はスイングの強さを得るため、フリー打撃などの数を増やした。巨人坂本や楽天浅村の映像を参考に「肩甲骨の使い方をまねしています」。172センチの大きくはない体を最大限に活用する技術を身に付けてきた。

堅実な遊撃の守備も一級品だ。練習試合でセンターに抜けそうな当たりをダイビングキャッチした際に沼田前監督からかけられた「ナイス!」の言葉に自信をもらい、高橋監督からも技術を学び続けてきた。「コロナにも負けず、限られた練習時間で準備するだけです」。2人の恩師を夢舞台に連れて行く。

◆近江博人(おうみ・ひろと)2003年(平15)2月27日生まれ、岩手・北上市出身。北上南小1年に相去スポーツ少年団で野球を始め、北上南中では軟式野球部。一関学院では1年秋からベンチ入り。179センチ、82キロ。右投げ右打ち。50メートル6秒2。家族は両親と兄2人。血液型A。

◆佐藤颯弥(さとう・そうや)2002年(平14)4月11日生まれ、岩手・盛岡市出身。幼稚園や津志田小時は山岸タイガースでプレーし、見前中では軟式野球部。一関学院では1年秋からベンチ入り。172センチ、75キロ。右投げ右打ち。50メートル6秒2。家族は両親と兄。血液型AB。