大阪桐蔭・西野 通算24発、先輩おかわり彷彿

ドラフトファイル:西野力矢

<ドラフト候補生全員!? 会いに行きます>

たとえ甲子園への道が閉ざされようとも、揺るがぬ評価を獲得している猛者がいる。名門の主力を張る野手を紹介する。

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逸材がそろう大阪桐蔭打線の中でもプロ注目なのが、高校通算24本塁打を誇る右のスラッガー西野力矢内野手(3年)だ。181センチ、95キロの体形と柔らかな打撃は、OBのおかわり君こと西武中村のようなイメージだ。

昨秋の近畿大会準々決勝では、今秋ドラフト1位候補の明石商(兵庫)・中森俊介投手(3年)の高め直球を捉えて右翼席へ同点3ラン。「あの後から逆方向の重要性が分かって、意識してやるようになった」。最速151キロの剛腕との対戦で幅がさらに広がった。

愛称は「ゴンちゃん」。NHK子ども向け人気工作番組「できるかな」に登場する「ゴン太くん」に似ていると、小学生の時に3歳上の兄詠吉さん(20)の先輩から命名された。「ゴン太君の写真は見たことあります。昔から僕を知ってる人はそう呼びますね」と笑う。

見た目はのんびりだが、リフティングを100回できるサッカーやバレーボールなど他球技でも身体能力を発揮する。社会人ミキハウスで捕手としてプレーする詠吉さんが帰省した時には打撃のヒントをもらった。「ずっと僕の野球を知っているので」。より広角に、より遠くへ。昨秋の公式戦11試合で打率4割7分6厘、3本塁打、チームトップの18打点を挙げた。勝負強さも「ゴンちゃん」の大きな魅力だ。【石橋隆雄】