甲子園中止「感染リスク」「学業の支障」も判断理由

昨年の夏の甲子園開会式(2019年8月6日撮影)

日本高野連と主催の朝日新聞社は20日、第102回全国高等学校野球選手権大会の運営委員会をWEB会議で行い、8月10日から開幕予定だった甲子園大会と、49代表校を決める地方大会の中止を決定した。

各大会中止の具体的な理由は以下の通り。

地方大会は全国で約3800校が参加。6月下旬から8月はじめに渡り、全国の約250球場で開催される地方大会の感染リスクを完全になくすことはできないことが1つの理由となった。また、休校や部活動停止の措置が長期間に及んでおり、練習が十分にできていない選手のけがの危険性や、授業期間確保のため夏休みを短縮し、登校日などを増やす動きがある中で、地方大会は学業の支障になりかねないことも判断理由となった。大会運営を担う役員や審判員を十分確保できないこと、医療スタッフに球場への常駐を例年通り要請できないことも予想され、公的施設の使用制限で市場休場が限られる可能性もある、ともした。

全国大会に至っては、開催を前提にし、専門家の助言も得ながら「3つの密」を避けるために無観客、抽選会、甲子園練習、開会式の取りやめ、検温や消毒の実行など感染防止策を想定してきた。だが、最終的には大会期間が2週間以上に及ぶこと、代表校が全都道府県から長時間の移動で集合し、集団での宿泊を終えた後に地元に帰郷することは、感染と拡散のリスクが避けられないことが、中止決定への理由となった。学業への支障をきたす可能性があることも判断材料となった。

全国大会の中止は、米騒動による1918年(大7)の第4回大会と、臨戦態勢を理由とされた1941年(昭16)の第27回大会に次ぐ79年ぶり3回目。地方大会は両大会で開催された。1942年(昭17)から1945年(昭20)の4年間は太平洋戦争により、大会は中断した。