横浜・度会「リストを柔らかく」父譲りの巧打

ドラフトファイル:度会隆輝

<ドラフト候補生全員!? 会いに行きます>

夏の独自大会に出場するドラフト候補選手の紹介企画の第4回は東日本編(中)。横浜・度会隆輝内野手(3年)は、父が元ヤクルトの博文氏(48)。広角に打ち分けるセンスが光る好打者は、父への思いを手紙につづった。

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度会は「父のようになる。そして、いつかは超える」という人生の目標を掲げている。父は元ヤクルトの博文氏。度会も、父譲りの抜群のバットコントロールが武器の巧打者だ。

野球の英才教育を受けた。小さいころから、暇さえあればバットを振る父の姿を見て育った。父は、試合から帰り食事を終えると家の中でバットを振る。深夜、目が覚めてもバットを振る音は続いていた。「まだ練習しているんだ…」父の真剣な姿に心を打たれた。手をつなげば、マメでいっぱいの手はゴツゴツして痛かった。「父は練習ばかりしていた。本当に努力家。でも、それだけやらなければプロの世界では活躍もできないと思った」。

3歳からバットを振り始め、父のアドバイスを頼りに練習した。「リストを柔らかく使え」。ティーバッティングでは、いろいろな角度からアプローチ。今では最大の武器になった。

昨春、右足首を骨折。リハビリ期間も、トレーニングと食トレに力を入れ、体はひと回り大きくなった。長打力が備わり逆方向への本塁打が増えた。父から教わった野球と努力の大切さが基礎となっている。

県大会を優勝で飾りプロへ進む。父への思いを手紙にしたため、最後の夏へ覚悟を決めた。【保坂淑子】

 

<横浜・度会隆輝内野手から元ヤクルトの父、度会博文氏への手紙>

お父さんへ

いつも本当にありがとう。僕のために毎日朝早く仕事に行ってくれて感謝しています。

小さい頃ティーの時に、時にきびしい言葉、時にはやさしい笑顔をありがとう。今回僕たちは、102回夏の甲子園がなくなってしまいました。その時に言ってくれた

「元気だせ!また練習を頑張ればいいんだよ!」

この言葉があるから今の自分がいると思います。

令和2年度神奈川県大会で自分が出せるベストパフォーマンスをしてお父さんと同じ舞台に立ちその舞台で一流と言われる選手になってお父さんの最高の笑顔を見れるようにこれからも頑張ります。

横浜高校 度会隆輝