<高校野球秋季神奈川大会:慶応19-4港北>◇29日◇横浜地区Eブロック1回戦◇慶応日吉台球場
元広島の前田智徳氏(49)の次男で、慶応(神奈川)の右腕・前田晃宏投手(2年)が、背番号1を背負い新チーム初戦の先発マウンドに立ち好投。5回コールド勝ちで、来春センバツ出場へ好発進した。
奪三振ショーを展開した。得意の真っすぐを中心に1回2死二塁で迎えた4人目の打者から7連続三振。「3回途中で、ずっと三振だと気がついて。最後の打者はちょっと力が入りました」と力のこもった高めの真っすぐで空振り三振に。3回を投げ1安打無失点でマウンドを降りた。「背番号1をつけて初めての登板。緊張はしませんでしたが、しっかり無失点で3回を抑えられてよかったです」と初戦の勝利に、エースの責任感をにじませた。
父との二人三脚で成長した。コロナの自粛期間中、練習相手は父・智徳氏だった(2月27日に学生野球資格を回復)。真っすぐの精度と制球力、球威を目標に掲げ、3日に1度、キャッチボールとピッチングの相手をしてくれた。「いい回転がかかって、低めに打者の手元でホップするようなきれいな真っすぐを投げるのがポイントでした」。1球ごとに「球がたれているぞ」「体の位置がずれているな」などと、アドバイスが飛ぶ。トレーニングでは腹圧と瞬発系を鍛え、投球に生かした。
チームの練習再開時、父からの最後のアドバイスは「試合では力を入れずに、7~8割の力できれいに抑えられるようにしろ」だった。「今日は力を入れずに、制球力重視でストライク先行で投げられたので、よかったです」と父の教えを公式戦で発揮した。
新チームのスローガンは「自分ごと」。森林貴彦監督(47)は「人任せにしない。甘えはやめて自分がやる。プレーは積極的にやってミスしながら学んでいこう」と選手たちに話し、新チームがスタートした。前田も「自分から動いたり、声を出したり。大胆に変えています」と意識改革にも前向きに取り組んでいる。
「秋の神奈川を制して、関東大会に進んで、ベスト4止まりではなくて、てっぺんをとって堂々と甲子園に行きたいです!」力強く話した前田。大舞台で父に成長した姿を見せる日まで。前田の挑戦は始まったばかりだ。【保坂淑子】