明桜・佐々木湧生4年連続「秋田産」高卒プロ目指す

「日本を代表する投手になる」と目標を掲げる明桜・佐々木湧(撮影・山田愛斗)

プロ志望高校生合同練習会が5、6日、東京ドームで開催される。ノースアジア大明桜(秋田)の最速144キロエース佐々木湧生(3年)は、ボール半個分までこだわる精密機械のような制球力を身上にする。17年の広島藤井黎来投手(大曲工、美郷町出身)、18年の日本ハム吉田輝星投手(金足農、潟上市出身)、19年の阪神遠藤成内野手(神奈川・東海大相模、にかほ市出身)に続く4年連続の「秋田産」高卒プロを目指す。

 

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合同練習会に懸ける思いは誰にも負けない。佐々木湧は右スリークオーターから繰り出すキレと伸びのある直球、スライダーが生命線。だが、実力を示す場と位置付けた今夏の県独自大会では背番号1を背負うも、右肘の違和感で調子が上がらず。準々決勝の1回1/3しか登板はなかった。

それでも明桜は同じくプロ志望届を提出した橘高康太、長尾光両投手(ともに3年)らの力投で夏の県王者に。佐々木湧は「優勝が目標だったので、チームが勝てたうれしさと個人で貢献できなかった悔しさもある」。万全の状態で参加する合同練習会は「悔しさをぶつける場ではないが、コントロール、力強い投球、気持ちを前面に出すのが自分の長所。そういう部分をアピールしたい」。持てる力を出し尽くす覚悟だ。

左右違うものの、DeNA今永の下半身を使い、上半身に力を伝える投げ方を参考に制球第一のスタイルを貫く。「コントロールが悪いと結局打たれてしまう。スピードは勝手についてくる」と考え、「ボール1個、半個分ぐらいのレベルでコントロールすれば打者も張れる球が張れなくなるので、特に意識している」と力を込める。

苦楽を分かち合った橘高、長尾とプロ入りに挑む。「切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲。3人でいければ一番いいです」。また「秋田から高卒でプロになった人は数えるほど。だからということはないが、高卒でプロになりたい」。湧き上がる闘志を白球に乗せ、東京ドームを完全復活の舞台にする。【山田愛斗】

◆佐々木湧生(ささき・ゆう)2002年(平14)10月19日生まれ、秋田市出身。旭川小2年時に野球を始め、秋田東中では軟式野球部。中3時の17年に全日本少年春季軟式野球大会で準優勝、同年の秋田市中学総体軟式野球大会でノーヒットノーラン。明桜1年時の春季県大会からベンチ入り。2年春から背番号1。183センチ、83キロ。右投げ右打ち。家族は母、兄、姉。

◆プロ志望高校生合同練習会 日本高野連と日本野球機構(NPB)が主催。新型コロナウイルスの影響で春のセンバツ、夏の甲子園と地方予選が中止になったことを受け、高校3年生のアピールの場として開催される。プロ志望届の提出が参加条件。5、6日の東日本会場には41人が参加予定。東北から他にも、山形中央から3年連続のドラフト指名を目指す太田大和(写真右)、最速143キロの学法福島・辻垣高良(同左)の両左腕が参加。8月29、30日の西日本会場(甲子園)には77人がエントリーし、投手と野手が対戦する形でシート打撃などが行われた。視察にはNPB、大学、社会人、独立リーグの関係者が訪れた。