弘前東・藤田青空は鉄砲肩と打撃でプロ入りアピール

弘前東・藤田(撮影・佐藤究) 

プロ志望高校生合同練習会が5、6日、東京ドームで開催される。弘前東(青森)の藤田青空(そら)捕手(3年)は同校初のプロ入りに挑む。

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弘前東・藤田は準決勝で敗れた今夏の県独自大会後も、新チームの後輩たちと一緒に汗を流した。二塁送球タイムは最速1秒87の鉄砲肩に加え、磨き上げた打撃でNPBスカウト陣にアピールする。

性格も負けず嫌い。最後の大会は4番で臨むも、バットから快音は響かなかった。持ち前の得点圏での勝負強さも影を潜めた。「力みまくって、自分の打撃を発揮できなかった。(練習会では)リラックスして、今までやってきたことを出し切る」と意気込んだ。連日の打撃練習では、試行を重ねながら木製バットを振り込んだ。間合いの取り方やボールとの距離感を再確認。金属バットのように力で飛ばすのではなく、木のしなりを意識する。打席に立つ準備は万全だ。

確固たる意思を持って最終テストに臨む。10月26日のドラフト会議で指名がなければ、大学、社会人野球には進まず、独立リーグ入りを視野に入れる。「野球を本気でやるのであれば、より厳しい環境に身を置きたい。目標はNPBの1軍で活躍することなので、はい上がっていくだけです」と腹をくくる。

練習用帽子のつば裏には、自ら考案したサインを記した。笑顔で「気持ちがプロに行く気満々です」と力強く言い切った。大勢のファンにサインする日を実現させるためにも、自らの手で新たなサクセスストーリーを描く。【佐藤究】

◆藤田青空(ふじた・そら)2002年(平14)6月12日生まれ、青森県平川市出身。小1から平賀ベースボールクラブで野球を始め、小6時には楽天ジュニアに選出。平賀西中では軟式野球部。今春に内野手から捕手に転向。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。50メートル走6秒4。遠投110メートル。目標の選手は西武森。

◆プロ志望高校生合同練習会 日本高野連と日本野球機構(NPB)が主催。新型コロナウイルスの影響で春のセンバツ、夏の甲子園と地方予選が中止になったことを受け、高校3年生のアピールの場として開催される。プロ志望届の提出が参加条件。5、6日の東日本会場には41人が参加予定。東北から他にも、山形中央から3年連続のドラフト指名を目指す太田大和(写真右)、最速143キロの学法福島・辻垣高良(同左)の両左腕が参加。8月29、30日の西日本会場(甲子園)には77人がエントリーし、投手と野手が対戦する形でシート打撃などが行われた。視察にはNPB、大学、社会人、独立リーグの関係者が訪れた。