花巻農が初の東北大会王手 エース藤原4失点完投

花巻農対盛岡三 4年ぶりの4強を決めてスタンドの保護者らにあいさつする花巻農の選手たち(撮影・鎌田直秀)

<高校野球秋季岩手大会:花巻農5-4盛岡三>◇22日◇準々決勝◇岩手県営野球場

花巻農がエース左腕・藤原奏良(そら)投手(2年)の4失点完投で4年ぶり4強を決め、秋春通じて初の東北大会出場に王手をかけた。

8回までは散発3安打無失点。最速120キロ強の直球と90キロ代前半のカーブで約30キロの緩急をつけ、テンポ良く打たせて取った。「最終回に3点を取ってくれて楽になったことで、油断して隙を突かれた。8回までは90点。トータルで75点」。9回に4安打2四球も、最後は三振で締めて安堵(あんど)の表情を浮かべた。

中3時にKボールの「オール花巻」で東北4強入りした仲間で、甲子園出場を目標に同校進学を決意した。スタメン9人全員、控えにも3人。「16年にベスト4に入った先輩の試合もスタンドで見ていましたし、入学時に上級生が少なく、みんなで試合に出られる可能性も高いと思った。チームワークは強豪私立にも負けない。一般枠でセンバツを狙っています」。18年夏の甲子園で準優勝した金足農(秋田)も、中学総体後にプレーした秋田北シニア中3クラスの仲間で集い、偉業を成し遂げた。26日の準決勝は今秋の練習試合で藤原奏が5回無失点と好投し、4-3で勝利した一関学院と対戦。ハナノウ旋風が私学3強にも襲いかかる。【鎌田直秀】