大阪桐蔭・関戸、直球不調でも変化球主体に5回9K

京都外大西戦の5回から登板した大阪桐蔭・関戸は完封リレーを決める(撮影・上田博志)

爆勝発進!! 高校野球の練習試合が6日、解禁され、第93回センバツ高校野球大会(19日開幕、甲子園)に出場する大阪桐蔭は、京都外大西戦(皇子山)でダブルエースによる17奪三振の完封リレーで大勝した。

最速154キロ右腕の関戸康介(2年)は、初戦から150キロをマークし、5回9奪三振。最速150キロ左腕の松浦慶斗(2年)は先発で4回8奪三振。打線も2本塁打を含む11安打13得点と、センバツV候補が力強く発進した。

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別格の試合運びだ。5回から関戸の独壇場だった。いきなり2死三塁も速球で振り遅れの空振り三振を奪った。8回は150キロを計測。5回で9三振を荒稼ぎし、先発松浦の8奪三振と合わせて17個の「Kラッシュ」だ。それでも関戸は表情を崩さない。

「緊張もあって自分の投球をできず、今後の反省。真っすぐで、どんどん押していきたい。真っすぐの調子が悪くて、変化球中心の投球になってしまった」

昨秋の近畿大会後、死球で右手人さし指を骨折して出遅れた。投球練習を再開したのは2月上旬だ。今冬の紅白戦でも150キロをマークしていたが、額面通りのパワーアームを披露した。

着実に進化する。巨人渡辺スカウトは「キレがある真っすぐ。投げ方のバランスもいい」と言い「もっとコントロールが良くないイメージだった」と評した。6回は先頭打者に引っ掛け、抜け、球は暴れた。だが、直後、内角を突いてどん詰まりの二ゴロに仕留めた。課題の制球で崩れなかった。

速球が荒れ気味でもカーブやスライダーを制し、ストライクを稼ぐ。相手4番を3球曲げて見逃し三振。「(力加減は)7、8割。そこまで球速にこだわりはない」。全力でなくても強豪をひねり、空恐ろしい。

攻撃も7番藤原夏暉内野手(2年)と8番松尾汐恩(しおん)捕手(1年)がアーチ。下位打者の振りではない。先発野手全員安打の13得点。だが西谷浩一監督(51)は「差し込まれる部分が、いっぱいありました」と辛口だ。センバツの初戦は大会第4日の22日、智弁学園(奈良)戦。3年ぶりの春夏連覇へ、最高の1歩目を刻んだ。【酒井俊作】

◆関戸康介(せきど・こうすけ)2003年(平15)4月14日、長崎・佐世保市生まれ。広田小1年からセインツジュニアで野球を始め、明徳義塾中(高知)では3年夏の全国大会準優勝。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。50メートル5秒9。遠投110メートル。178センチ、81キロ。右投げ右打ち。

▽ロッテ三家スカウト(球団スピードガンで最速150キロ、常時142~143キロを計測し) 真っすぐは力強いし、変化球もいい。(松浦とともに)ポテンシャルが高い、持っているものは素晴らしい。

▽ヤクルト阿部スカウト 大柄なタイプじゃないけど、力強い球を投げられるポテンシャルがある。初めての対外試合でもしっかり投げられている。