北海・平川監督がナインに伝えたい3・11教訓

10年前のセンバツを振り返る北海・平川監督(撮影・永野高輔)

東日本大震災から11日で10年がたった。第93回センバツ高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する北海の平川敦監督(49)は10年前、震災直後のセンバツに出場。その経験から教育者の視点で「日常の大切さ、ありがたさに気付くことが大事」と説いた。

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センバツ出場を控えた11年3月11日、校内体育館での壮行会が終わりかけたときだった。平川監督は「壮行会の最後。2時46分かな。揺れていたのを覚えている。職員室に戻ってテレビを見たら、津波の映像が流れていて。これは大会は無理だなと」。13日に本州へ出発する予定も、当時の坪岡英明部長(51)が学校と話し合い、状況を把握するため移動の延期を決めた。

チームは予定から3日遅れの16日に関西入り。「大会をやることで勇気を、と言われていたけど、当事者はどうなのか、と。こんな状況で野球をやっていていいのかという気持ちだった」。18日に正式に大会開催が決定し、大会初日の23日第3試合で創志学園(岡山)に2-1で競り勝ち、監督として3度目の甲子園で初のお立ち台に立った。監督人生節目の1勝も「喜んでいいのか。複雑な心境だった」と振り返った。

震災から10年の節目に、再びセンバツに出る。思いがけない非常事態が、生徒たちに与える影響について、教育者の視点で考える。

平川監督 いつも言うのは、普段通りに過ごすことが大事だということ。震災のときは結果的に大会ができたが、できなくなったかもしれない。実際に昨年はコロナ禍でやれなくなるということもあった。日常だったことが日常じゃなくなることがある。当たり前のことができるありがたみを知ることで、普通の日常の過ごし方を、いかに大切にしなきゃいけないかということを、子どもたちに分かってもらえたら。

95年の阪神・淡路大震災後のセンバツにコーチとして同行した際は、例年アップで使っていた球場に、仮設住宅が建ち並んでいた光景を目にした。震災の影響で甲子園までは電車移動。周囲の目を気にかけながらの臨んだ。偶然にも2度の大震災直後の大会を経験し、今年の10年ぶり出場は、コロナ禍からの復活大会の開幕試合だ。「縁なのか何なのか。すべてつながっているかなと思う。そして、日常が大切だということ」。普通にある「今」の重みを、より強く深く、感じ続けている。【永野高輔】

○…北海は11日、センバツの初戦(19日、対神戸国際大付)に向け、兵庫県内で東洋大姫路(兵庫)と練習試合を行い、3-3で引き分けた。左腕エースの木村大成(2年)が9回124球を投げ、7安打10奪三振1四球3失点で完投した。9回完投は昨秋全道大会決勝の旭川実戦以来で「スタミナは問題なかった。途中でスライダーが抜けたりしたが、終盤修正できた。8、9回の投球を続けられるようにしたい」と話した。