元石巻工主将阿部翔人さん仙台一野球部副部長に就任

12年センバツで選手宣誓を行った石巻工時代の阿部翔人さん

教員生活の第1歩を踏み出した。12年選抜高校野球に21世紀枠で出場し、選手宣誓を務めた石巻工(宮城)野球部元主将の阿部翔人さん(26)が1日、初の着任地である仙台一高で行われた着任式に出席。その後、電話取材に応じ「不安な気持ちが大きいです」と率直な感想を口にした。

最後まで諦めなかった。昨秋の宮城県教員採用試験に合格。5度目の挑戦で、保健体育の正教員になった。「正直、無理なのかなと思ったこともありました。でも、生き方として(教師に)魅力を感じていたので」。初志貫徹で夢をつかんだ。それまでは、日体大卒業後の17年4月に非常勤講師として地元の石巻に赴任。18年からは野球部コーチを務めていた。

仙台一では、野球部副部長の就任が決まった。1923年(大12)の県勢初出場(当時は仙台一中)など、全国選手権に3度出場した古豪だ。昨夏の県独自大会では県4強入り、県内有数の進学校としても知られ、文武両道を貫く。「部活動を通じて、人間性の部分が大きく成長する。一生懸命に頑張る子どもたちを応援していきたい」と、生徒に寄り添っていく。

副部長として甲子園出場を目標に掲げた。県内公式戦37連勝中の昨秋東北王者、仙台育英を筆頭に、同準V柴田の今春に選抜に出場した2校をはじめ、県内は強豪校がひしめき合う。「自分も公立校でやってきた。指導者として経験してきたことを伝えて、甲子園を目指したい」と言葉に力を込めた。【佐藤究】

◆阿部翔人(あべ・しょうと)1994年(平6)8月25日生まれ、宮城・石巻市出身。鹿妻小1年時に野球を始め、渡波中では石巻中央シニアでプレー。石巻工時代は12年センバツに21世紀枠で出場。卒業後は日体大に進学。171センチ、72キロ。右投げ左打ち。守備位置は捕手。血液型O。