「公立あなどれないぞ」示せた川口、3年ぶり決勝届かなくても/埼玉

昌平対川口 先発し力投する川口・市田(撮影・保坂恭子)

<キミしか勝たん>

<高校野球埼玉大会:昌平7-4川口>◇25日◇準決勝◇大宮公園野球場

公立校の代表として、川口は最後まで粘った。3-7で迎えた9回1死一、三塁。4番の檜木優大外野手(3年)が右前打を放ち1点を挙げた。ベンチも、スタントも一気に盛り上がる。あと3点-。「(球場の)雰囲気を感じた。ひっくり返せるんじゃないかと思った」。2死満塁まで好機を広げたが、3年ぶりの決勝は遠かった。

中3の頃、3年前の南埼玉大会で準優勝したチームを見て練習に参加した。鈴木将史監督(35)の「公立で、私立を倒そう」という言葉が、胸に残った。昌平には敗れたが、今大会は浦和実、山村学園から白星を挙げた。コロナ禍で全体練習が出来ない期間は、自主トレでスイングを重ねた。“私立に負けない打撃”を誇るチームの4番として、存在感をみせ「公立もあなどれないぞ、と示せたと思う」。胸を張って、高校野球を引退する。【保坂恭子】