関東第一が決勝進出 市川が亡き友へ快投 152キロ3安打1失点/東東京

修徳対関東第一 先発し力投する関東第一・市川(撮影・鈴木正人)

<高校野球東東京大会:関東第一4-1修徳>◇1日◇準決勝◇東京ドーム

関東第一が決勝に駒を進めた。エース市川祐投手(3年)が修徳打線を3安打1失点に抑え、完投勝利。自己最速を6キロ更新する152キロを記録するなど、真っすぐの走り、スライダー、カットのキレとも抜群だった。

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1回表。初めてのマウンドに上がった市川は、帽子を取ると、ドームの天井を見上げた。「天国から見ててくれ」。いつもと同じ。この日も、そう願ってからプレーボールを待った。竹山翼さん。新宿シニア時代のチームメートは、高1の時に病で亡くなった。「あいつの分も頑張ろうと思って。毎回、試合前には空を見るようにしています」。

純粋な思いは、ボールに乗り移った。修徳の先頭、間島への3球目で147キロ。早くも自己最速146キロを更新すると、続く球で152キロをたたき出し、さらに更新。遊ゴロに打ち取った。2番打者にも140キロ台後半を連発し、最後は148キロで空振り三振。3番は、自分と同じエース右腕の床枝。149キロで空振り三振に仕留めた。試合前、捕手の石見と「前半は真っすぐで押して、後半は変化球を交えて」と話していた。その通りの立ち上がりだった。

3回に4点の援護をもらった。直後にソロで1点を失ったが、スライダー、カットのキレも抜群。連打を許さず、計12奪三振。120球で完投した。

亡き友への思い。前の試合まで投げてくれたチームメートへの思い。スタンドで応援してくれた学校の生徒、保護者への思い。さらに、修徳はじめ、これまで倒してきた相手チームへの思いも口にした。試合後、床枝と握手し「頑張って」と託された。「初戦から戦ってきたチームの分も、明日は勝ちきりたいです」。いよいよ、決勝戦。連投の準備はできている。【古川真弥】