【甲子園】前橋育英・荒井監督「甘いボール逃さず振りたい」京都国際戦

グラウンドを見つめる前橋育英の荒井監督(撮影・加藤哉)

大会第5日の第4試合で対戦する前橋育英(群馬)と京都国際の両監督が、対談を行った。

5大会連続6度目の出場となる前橋育英の荒井直樹監督(56)は、京都国際について「(投手陣の)森下君、平野君など能力の高い選手がおり、攻撃力だけでなく守備力もある。総合力の高いチームという印象。前評判でも、京都で一番力があるチームと言われていたと聞いている」と話した。

警戒する選手についてもエース森下瑠大投手(2年)、平野順大投手(2年)の名前を挙げた。「まずは森下君。個々の選手で対応は変わると思うが、スピードもあるし、変化球のキレ、コントロールもいい。四球を出すタイプではなく、簡単に崩せる投手ではない。また、打者としてもいい選手だという印象だ。京都大会ではそこまで打っていなかったようだが、いいものを持っている。あと、平野君は夏はそこまで結果が出ていなかったようだが、春の近畿大会の智弁学園戦では好投したと聞いているし力はあるだろう。どの投手が出てきても手ごわい」と話した。

理想の展開は、ロースコア。3失点以内の接戦に持ち込むためには、前橋育英も投手陣が鍵になる。「どこまでインコースにしっかり投げられるかがポイント。守りも含め、チーム全体でいかに失点を防ぐかが鍵だろう」と挙げた。

打線は、主将も務める皆川岳飛外野手(3年)がキーマンになる。「打撃は皆川が中心ではあるが、どちらかというとチームでどうつないでいくか、走塁も絡めてどう得点するかということが大事になってくる。どのボールが打てるか、どのボールを捨てなければいけないかをイメージするよう選手たちに伝えている。甘いボールは逃さずどんどん振りたい」と明かした。

今夏の県大会では、ノーシードから頂点をつかんだ。関東学園大付、桐生第一、決勝ではセンバツ出場の高崎健康福祉大高崎に延長戦の末に勝利した。荒井監督は「自分たちが大切にしている『当たり前のことをきっちりやる』を忘れず、やるべきことをやるということに尽きるのではないか。甲子園だからと何か特別なことをやろうとすると力が出せなくなる。それよりも、自分たちがやってきたことの中身が薄くなっていないか、おろそかになっていないかというところをきちんと確認しながら臨みたい」。県大会ノーシードから、全国の頂点へ駆け上がる。