2度の痴漢、強制わいせつ、下半身露出、素手で捕球…高校野球11件の処分決定

日本学生野球協会は1日、オンラインで審査室会議を開き、高校11件の処分を決めた。

九十九里(千葉)は、29歳教諭の顧問が、2度にわたる痴漢と強制わいせつで2度逮捕。顧問の除名処分となった。

周防大島(山口)は、部長が昨年9月18日から10月19日にかけて、スーパーやコンビニの駐車場で下半身を露出。通報で発覚し、同部長は除名処分。

関西(岡山)は、体罰(部内)で監督45歳を1カ月(昨年12月13日~今年1月12日)の謹慎処分となった。昨年12月6日に外部から同校野球部員の自転車マナーが悪いと通報が入り、監督は練習前のミーティングで該当者は名乗り出るように指示したが、誰も名乗り出なかった。その後、部員同士の話し合いが真剣でないと感じられ、主将と副主将2人の3人を呼び出して指導。その1人が監督に対して不服そうな態度をとったため、胸ぐらをつかんで右の手のひらで左ほおを1発なぐった。

下関国際(山口)は、体罰(部内)と報告義務違反で23歳のコーチが2カ月の謹慎。同コーチは昨年11月28日の午後8時ごろ、寮で2年生部員があだ名でコーチを複数回呼んでいるのを聞いて指導。その際に、態度が反抗的だったとして左胸の鎖骨下を2回殴った。12月9日、コーチは自分が嫌がるあだ名について監督に相談。監督が部員に聞いたところ、コーチからたたかれたことが判明。コーチは、暴力を隠していたとされた。

松江農林(島根)は、不適切指導と暴言で監督37歳が3カ月の謹慎処分となった。昨年8月初旬の練習中、グラブさばきがよくないと感じた選手に素手で打球を捕球させた。監督によれば、通常より弱い打球を打っていたが、生徒側からするとそれなりの強さがあった。同じ練習方法が、9月20日にも行われた。1年生で整形外科を受診して、打撲と診断された生徒もいる。さらに、同監督は10月23日の練習試合で、消極的なプレーをした選手に暴言を言った。10月末に野球部員から学校に訴えがあり、11月14日に1年生部員の保護者からも連絡があって調査が行われた。

日本文理(新潟)は、部員の暴力(部内)とSNSの不適切使用で、3カ月間(1月26日から4月25日)の対外試合禁止となった。

日本文理は1月18日、2年生部員1人が、普段のあいさつや態度に改善が見られないため、寮の部屋と倉庫で1年生部員の合計2人に暴力をふるった。別の2年生部員1人が被害者1人への暴力行為を撮影。その動画が部内で拡散し、別の1年生部員2人がSNSに投稿した。同19日に投稿を見た一般の人から連絡があり、発覚した。暴力を受けた2人には、ケガはなかった。

星槎国際湘南(神奈川)は、中学生との接触ルール違反で、前部長29歳と、現在の部長59歳、監督68歳の合計3人が3カ月の謹慎処分となった。前部長は、昨年9月末で退職している。20年11月22日、野球部専用グラウンドを地域の中学硬式野球チームに貸し出した際に、高校生が練習を補助。監督が直接、中学生に技術指導を行った。昨年12月19日にも、同様にグラウンドを中学硬式野球チームに貸し出した。中学生と高校生が交流した。投書があり、県高野連を通じて事実確認をして判明した。

横浜清陵(神奈川)は、不適切指導と暴言(部内)で監督39歳が3カ月(昨年9月~12月)の謹慎処分。昨年7月5日、練習中に野球用具を整然と並べなかった1年生について、座るように指示。選手は15分間、正座をした。昨年8月26日に神奈川県教育委員会へ匿名の投書があり判明した。調査の過程で、監督は昨年度に部員を地面に座るように指示した正座が2回あり、暴言もあった。

その他に監督の強制わいせつ、監督の部内でのセクハラ行為、部員の不適切動画の拡散と飲酒で3校が処分された。