第94回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)に出場する広陵(広島)の1年生スラッガー真鍋慧内野手が「金本魂」を継承する。189センチ、89キロとほれぼれとする肉体からアーチをかけ、豪快な打撃は「ボンズ」の異名をとる。広陵の左打者。真っ先に浮かぶのが元広島、阪神の金本知憲氏(53)だ。通算476本塁打、2539安打の大打者を高校時にコーチで指導した中井哲之監督(59)は当時の姿と重ね合わせる。
「(金本氏は)入ってきたとき、どうしようかと思ったくらい細かった。あの頃の彼とボンズと比べたら全然、レベルが違います」
高校時の金本氏を上回る素質の高さを示すのが真鍋だ。だが、名将は「金本は努力する天才。遅咲きの言葉がある。この子が金本くらいの気持ちで練習して、考えてやるかやらないか」と続ける。鉄人の道は真鍋の手本になる。志は負けていない。1日500スイングの素振りがノルマ。金本氏が阪神を優勝に導いた05年に生まれた。伝説は、のちにテレビなどで知った。
「素振りをたくさんされている。阪神のとき、骨折してもバット片手で打っていた。心の強い方です」
5日に広島国際学院との練習試合で左中間アーチを放つなど高校通算11本塁打を重ねる。「いいスタート。(冬は)打撃練習で逆方向の強さを求めた」。昨秋、明治神宮大会の花巻東(岩手)戦も本塁打をかけたがスケールアップを示した。この一戦では高校56本塁打の佐々木麟太郎内野手(1年)もアーチで応酬し、ともに1歩も引かなかった。
甲子園デビューを心待ちする。第2日の敦賀気比(福井)との初戦が迫り「大阪桐蔭を倒して日本一が目標です」と武者震い。昨秋の神宮は決勝で大阪桐蔭に敗れた。今大会で戦うのは決勝までない。センバツ3度優勝の名門。4番として頂点を狙う。【酒井俊作】