仙台一エース佐藤昴が東北大合格「日本各地の文武両道を実現させた選手たちと戦ってみたい」

目標に「七大戦優勝」を掲げ笑顔でガッツポーズする仙台一・佐藤

仙台一のサイドスローが大学でも文武両道を貫く。昨春の宮城県大会でチームを準優勝に導いた仙台一のエース・佐藤昴投手(18)が今春から東北大経済学部に進学することがわかった。準優勝と合格を勝ち取った佐藤が、大学でも二兎(にと)を追って、二兎を得る。

“継続は力なり”を体現した。昨夏の県大会初戦、東北に0-7のコールド負けを喫し現役を引退。8月に部の体験会を手伝ってからはグラブも触らず、完全に勉強に切り替えた。大学共通テストの自己採点は633点と、東北大のボーダー予想720点に10%足りなかったが、全体の得点が昨年より約5%下がったと言われていたこと、ボーダー予想から5%下までであれば過去の事例からギリギリ合格を狙えることから、「出すだけ出そう」と受験を決意。佐藤は「受かるとは思っていなくて、正直びっくりしました。合格を見てホッとしました」。あきらめずに勉強に取り組んだ結果が待ち望んだ春につながった。

継続が身を結んだのは勉強だけではない。2年秋の県大会準々決勝、仙台一は柴田に1-6で敗れた。柴田はその後、東北大会を勝ち抜き準優勝、センバツ出場を決めた。佐藤は「その時はそんなに力の差を感じていなかった。負けたポイントもしっかりと理解していた分、すごく悔しい思いをしました」。チームはそこから半年をかけて柴田のデータを収集。万全の対策を練った昨春の県大会、再び柴田と準々決勝で相まみえ、4-3で勝利。佐藤は「半年以上、ひとつのことに一生懸命になったことで継続の大切さを学びました」。半年間の努力で得た勝利は特別なものとなった。

佐藤の野球は、千葉厚監督の「サイドスローにしよう」という進言をきっかけに大きく変わった。佐藤は「そこからちゃんと投げられるようになりました。自分の価値観が変わった。野球人生が変わった一言です」と振り返る。1年の秋、なりたてのサイドスローで臨んだ仙台商戦は0-7、ノーヒットノーランのコールド負け。大敗したが佐藤はあきらめず、1年間サイドスローの向上を「継続」した。1年たった2年秋の県大会3回戦、仙台商を相手に佐藤が9回を投げきって2-1。佐藤は「公式戦では同じ相手に2度負けていないと思います」。負けても立ち上がり、リベンジを果たす「継続」が佐藤の根底にある。

東北大では、東北6大学リーグはもちろん、旧帝大との七大戦も楽しみにしている。佐藤は「日本各地の文武両道を実現させた選手たちと戦ってみたいです」。何度でも立ち上がり、「継続」を力に変えて文武両道の頂点を狙う。【濱本神威】

◆佐藤昴(さとう・すばる)2003年(平15)6月15日生まれ。宮城県岩沼市出身。小学2年から岩沼西スポーツ少年団で野球を始め、中学は岩沼西中でプレー。高校2年で秋の県大会で公式戦初登板。171センチ、70キロ。右投げ左打ち。