抑えて勝つ! 3月18日開幕のセンバツに出場する花巻東(岩手)のエース左腕、万谷大輝投手(3年)が静かに闘志を燃やしている。「自分が安定して3点以内に抑えて勝ちたい」。昨秋までの最速は129キロ。一方、初戦22日に戦う市和歌山のエース右腕、米田天翼(つばさ)投手(3年)は同149キロだ。軟投派と速球派の「正反対決戦」を制し、好発進する。
万谷は今冬、球速アップに励んできた。ウエートトレーニングはすべてのメニューで重量アップ。夕食の食事量も増やし、体重は昨秋の72キロから78キロに。現在の最速は不明だというが「球の伸び自体は出てきたかなと思います」。甲子園の球速表示では130キロ台に突入しそうだ。打たせて取る投球が生命線。持ち球のカーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシームも「精度を高めてきました」と変化球も磨いてきた。
花巻東は佐々木麟太郎内野手(2年)が高校通算56本塁打、田代旭捕手(3年)が同47本塁打と強力打線が持ち味だ。佐々木洋監督(46)は「キーマンは間違いなく先発投手陣」と話し、万谷らが好投すれば勝利がぐっと近づく。万谷は昨秋公式戦で11試合に登板。計61回2/3を投げて防御率2・34、4完投とエースの仕事を全うしている。
強打の花巻東といえども、市和歌山の米田攻略は難しいミッションだ。「(打線は)水ものなので、いつ止まるか分からない」。だからこそ万谷の投球が鍵を握る。「他のチームは速球派が多く、自分はあまり速くないですけど、自分なりの『なんか打てないな』という投手になって、ひとつひとつ勝ち上がり、優勝できればと思います」。名門で背番号「1」を背負うオンリーワン左腕が、相手を翻弄(ほんろう)していく。【山田愛斗】