【センバツ】聖光学院実った打撃改革 福島に「感謝」まず1勝届けた

東北勢の組み合わせと、聖光学院のセンバツ成績

<センバツ高校野球:聖光学院9-3二松学舎大付>◇20日◇1回戦

「強打の聖光」ここにあり! 4年ぶり6度目出場の聖光学院(福島)が、10安打9得点で二松学舎大付(東京)に勝利。18年春以来の「聖地1勝」を挙げ、16日の震災被害で苦しむ福島に明るいニュースを届けた。初回、4番捕手で先発出場の山浅龍之介(3年)の適時打などで3点を先制。1点を許した直後の5回には打者一巡の猛攻で6得点。冬場からの「打撃改革」が結実した。次戦は25日、ベスト8を懸け、近江(滋賀)と対戦する。

甲子園の地に「聖光」が帰ってきた。6点リードの9回2死。エース佐山未来投手(3年)が最後の打者を空振り三振に打ち取った。18、19年夏は甲子園初戦敗退。一昨年夏は福島頂点に立つも、コロナ禍で甲子園は幻に終わった。昨夏は15年ぶりの県大会敗退。18年春センバツ1回戦(3月23日)以来の校歌を聖地に響かせ、ナインは三塁側アルプスへ一気に駆けだした。5回に2点適時打を放った赤堀颯主将(3年)は安堵(あんど)の表情を浮かべ、大粒の汗をぬぐった。

赤堀主将 運が重なった勝利かなと思っています。控えメンバーとレギュラー全員が主役になって戦うことを求めていた。スタンド(の選手)とも団結できた実感があります。

昨秋に根付いた「貧打」の面影は、もうなかった。0-0の初回。相手エースの立ち上がりを攻め立てる。四球と犠打、死球で1死一、二塁の先制機に山浅がしぶとく右前へとはじき返した。5番安田淳平外野手(3年)も適時打で続き、この回3点を先制した。5回には打者一巡の猛攻。長短5安打の集中打で一挙6得点。試合の主導権を完全につかんだ。斎藤智也監督(58)は「打者陣が相手の投手陣に対してキリキリ舞いになることなく、それなりに対応してくれた」と目を細めた。昨秋は東北大会準優勝の一方で、チーム打率は2割6分7厘。センバツ出場32校中31位の数字も、ここぞの場面で一本を放つ勝負強さが快勝発進につながった。

「打てないと甲子園では勝てない」。夏13年連続出場を含む、春夏通算22度の甲子園出場に導いた名将は選手らにこう語りかけた。今冬は素振りと10種類のティー打撃など、基礎から立ち返った。1日1000スイングは当たり前だった。赤堀主将は自信を持って言う。「春にかけて打撃にはこだわってやってきた。140キロから150キロの直球に振り遅れない。低めへの対応力も身につけた」。

試合4日前の16日は同校のある伊達市内をはじめ、東北各地が大きな地震に見舞われた。野球部の寮は一時、停電と断水の被害にも遭った。赤堀主将は「感謝の気持ちを持って、感動を与えたいという思いはもちろんありましたけど、自分たちがはつらつと戦う姿を見て、それをどう感じてもらえるか。勝ちを届けることができたことは良かったと思います」。4年ぶりとなった春の聖地。東北勢初の日本一へ、聖光の挑戦は始まったばかりだ。【佐藤究】